卯月香です。初夏の組香です。

旧暦の四月は卯月。(尤も、新暦でも四月は卯月ですが…)
立夏も過ぎ、暦の上ではもう夏です。

初夏に遊ぶ組香に「卯月香」があります。(大外組)

◇香は六種
一を更衣として 二包で内一包試
二を新樹として 同断
三を卯花として 同断
四を葵 として 同断
五を忍音として 同断
六を客 として 一包で無試

◇聞き方
①一から五の試を聞いて香りを記憶します。
②出香は、一から五の各一包計五包を打ち交て、内一包だけ取り出し、これに六(客)を加えた計二包をたきます。

◇六(客)の出により答に書く名目
更衣と客ならば ひとへ
新樹と客ならば 深みどり
卯花と客ならば 白たへ
葵 と客ならば 小車
忍音と客なれば 初郭公

点数の所には、全当たりの人には卯月、客のみ当りには立夏、季のみ当りには首夏と書くことになっています。

香木に付けられた名<更衣、新樹、卯花、葵、忍音>は、全て初夏の代表的な風物詩となっているもので、言葉を聞いただけで景色が浮かんでくるものばかりです。
名目等も含めて、本当に初夏づくしですネ。(o^-^o)

ところで、卯花は空木(うつぎ)の花。
辞書には、「古来、ほととぎすなどとともに、初夏の代表的風物の一つとされ、白く咲き乱れるさまは、雪、月、波、雲などにたとえられた。」とあります。
美しい風景です!

唱歌「夏は来ぬ」は、「うの花のにほふ垣根に、時鳥 早もきなきて、忍音もらす夏は来ぬ」でした。
ほととぎすも鳴き始めは上手く鳴けずに、声をひそめて鳴くようです。

卯花の仲間の「梅花空木」は、蕾がようやく脹らみかけたところで、開花はもう少し先になりそうです。(o^-^o)
梅花空木の蕾