花は野にあるように

名鉄百貨店で始まった恒例の「山村御流」の花展。
見てきた人から、会場入り口のディスプレイ写真がメールで送られてきました。

山村御流

竹林、井戸、竹蓋、釣瓶、飛び石等々、凝った造りに仕立ててあります。
壁に目をやれば、「花は野にあるように」と記してあります。

直ぐに気づきました。
これは、「利休七則」と呼ばれている文言の一つであると…。

裏千家の栞などには、七則として以下のように認めてあります。

茶は服のよきように点て、
炭は湯のわくように置き、
冬は暖かに夏は涼しく、
花は野にあるように生け
刻限は早めに、
降らずとも雨の用意、
相客に心せよ

どの文言も、一見当たり前の事のように思われがちですが、実は奥の深い、人間の「真実」を鋭く突いている名言だと、思わないでもありません。

さて、出典が気になりました。(「相棒」の杉下右京ではありませんが、悪いクセです!)
これらを七則としてまとめたのは、一体いつの時代、誰がまとめたかと云うことです。

とりあえず、基本とされている『南方録』(西山松之助校注/岩波文庫)をパラパラとめくって見ました。
「覚書」の10番目の項目に、以下のような記述がありました。

◆或人、炉と風炉、夏冬茶湯の心持、極意を承りたきと宗易に問われしに、易こたへに、夏はいかにも涼しきやうに、冬はいかにもあたゝかなるやうに、炭は湯のわくやうに、茶は服のよきやうに、これにて秘事はすみ候由申されしに、問人不興して、それは誰も合点の前にて候といはれければ、また易のいわく、さあらば右の心にかなふやうにしてご覧ぜよ。宗易客にまいり御弟子になるべしと申されける。(以下略)◆

ここで、述べられているのは、上記七則の内の初めの三つです。
残り四つについては、パラパラと見た範囲内では確認できませんでした。
出典は、他の書に、しかも複数の書に当って見る必要がありそうです。

勿論、今回はパスです。(o^-^o)

何れにせよ、利休がいくつかの場面で述べたと伝えられている文言であることに違いはないと思いますが、一つのシチュエーションではないようです。

そうすると、七則にまとめた人物あるいは組織は素晴らしい働きをしたことになります。
出典は、別の機会に譲ることになりますが、さてさてそんな機会は訪れるでしょうか…。

野にある花の一つです。
ヒメヒオウギが咲き出しています。(o^-^o)

ヒメヒオウギ