小満はあっても大満はない

今日は二十四節気の一つ「小満」。

知り合いのアメリカ人(日本語ペラペラ!)から約一名にメールが日本語で届き、その中に「今日は二十四節気の小満です。」との文言があり、暦を見たところ確かにそうでした。

普通の人があまり意識していない二十四節気の一つを、いくら日本文化に興味を持ち、知識も経験も豊富な大学人だからといっても、わざわざ小満を持ちだすなんて、きっと時候の挨拶のコピペだよね、なんて軽口を叩いたのでした。(彼がこのブログを見ない事を願うばかりです。)

小満は暦には、「万物が次第に長じて、天地に満ち始める頃である。山野の緑はいちだんと濃さを増し、麦の穂が成長して稔りの時が近づく。(以下略)」とあります。

あらためて、二十四節気を一つづつ眺めてみました。

一年は太陽の運行に伴い、冬至と夏至の「二至」、春分と秋分の「二分」、立春、立夏、立秋、立冬の「四立」で八節に分けられ、更にそれを三分割して二十四節気となっています。

私的には、それらの中では「小満」が最も特徴のない名であるように思われます。
他は、それぞれの時季の特徴を端的に表している言葉なのですが、「小満」は植物が生長する頃です、ではインパクトに欠けているような感じがするからです。

江戸時代の1788年に発行された「暦便覧」には、小満は「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」とあり、他のように末語が「也」と強調した締めくくりになっていないのも、ちょっと気になります。(関係ない!との声アリ)

でも、矢張り、槇の新芽をみると、「小満」もこの時季にふさわしい言葉と思えてくるから不思議です。(o^-^o)

槙

【追記】二十四節気
<春>
旧暦正月正節  立春  2月04日頃
旧暦正月中気  雨水  2月19日頃
旧暦二月正節  啓蟄  3月06日頃
旧暦二月中気  春分  3月21日頃
旧暦三月正節  清明  4月05日頃
旧暦三月中気  穀雨  4月20日頃
<夏>
旧暦四月正節  立夏  5月06日頃
旧暦四月中気  小満  5月21日頃
旧暦五月正節  芒種  6月06日頃
旧暦五月中気  夏至  6月21日頃
旧暦六月正節  小暑  7月07日頃
旧暦六月中気  大暑  7月23日頃
<秋>
旧暦七月正節  立秋  8月08日頃
旧暦七月中気  処暑  8月23日頃
旧暦八月正節  白露  9月08日頃
旧暦八月中気  秋分  9月23日頃
旧暦九月正節  寒露  10月09日頃
旧暦九月中気  霜降  10月23日頃
<冬>
旧暦十月正節  立冬  11月07日頃
旧暦十月中気  小雪  11月22日頃
旧暦十一月正節 大雪  12月07日頃
旧暦十一月中気 冬至  12月22日頃
旧暦十二月正節 小寒  1月05日頃
旧暦十二月中気 大寒  1月20日頃

小暑・大暑、小雪・大雪、小寒・大寒は対になっているのに対し、小満は……。