襲の色目

汗ばむほどの陽気の中、城山八幡宮の洗心茶会に行ってきました。
今日の席主は、裏千家・片山宗英氏と表千家・土屋宗芳氏で、お二人とも女性でした。

裏千家のお席では、大ぶりの志野の水指が目を引きました。
会記を見れば利茶土造とあり、アメリカ人のリチャード(利茶土)さんの作であることがわかりました。
裏千家・鵬雲斎大宗匠に目を掛けられたお方のようです。

表千家のお席では、最初に運ばれてきたお菓子に目が釘付けになりました。
会記には「絹衣」とあったので、鮮やかな白地に紅色の帯の意匠に、思わず「襲の色目ですかね」と小声で呟いたのを、席主さんが早速聞きつけて「葵祭」のお話しに結びつけてくださいました。

なんでも、今回のお菓子は、「葵祭」の衣装の襲(かさね)の色目にこだわられたそうで、名古屋上前津の「不老園」さんにお願いされたとか…。

中でも、白地に紅色の帯の意匠は、席主さんのたっての願いで造っていただいたそうで、そのお菓子は初めの五人分だけで、六人目からは淡い色調の別の色目に変わっていました。
美味しい、こなし製の「絹衣」でありました。

襲の色目が気になり、さて何だろうと、ネットで調べてみました。

粋屋のHPに、詳しい襲の色目がのっていました。
http://www.ikiya.jp/kasane/natu.html

私がいただいたのは、<夏の襲の色目>「根菖蒲」あたりでしょうか。

話題はふくらみ、最後は置物の上賀茂神社ゆかりの土鈴の話になりました。

この鈴のには、ご利益があり、なんと邪気を払うのだそうです…。
(鈴には、ちゃんと神紋のフタバアオイが描いてあります。)

洗心軒を後にして、神社参道の脇にシロツメクサが生えているのを発見。
なぜか、ホッと心安らぐものがありました。