香道一口メモ・8

昨日の洗心茶会では、会記の菓子銘が二席とも「初かり」となっていましたが、一方の席主さんが機転を利かし尾花の焼印をあしらった「秋の野」に急遽変更された由。
「こんなことも時としてあるんだ…」と思いましたが、代わりの品が用意できるところは、矢張り地元であればこそでしょうか。
個人的には、二つの「初かり」の意匠の違いを楽しむのも一興と思いましたが、流石にそれは…といったところでしょうか。

季節を先取りするのが茶の湯の常。
この時季ですと、矢張り名月と初雁あたりがテーマとしては浮かび上がってくるようです。

今年は咲かないのかな?と思っていた彼岸花の花芽が伸びてきました。
辺りの彼岸花は終わろうとしているのに、遅まきながら間にあったという感じです。

彼岸花

香道一口メモ・8【沈水香①】

瑞香(じんちょうげの別名)科の古木が、永年土中に埋もれている間に木質部が腐ってなくなり、樹脂が菌類に侵されて木心に凝結し、自然ににおいが熟んで育成されたというのが通説で、樹木そのままではなく、大部分は樹脂物質から成っている。中国の本草には、この樹木は蜜香樹(沈香樹)といい、つばきのようであると記されている。