志野流香道全国大会(札幌)3

晩秋から咲き始めるツワブキ(石蕗)が雨に濡れています。

志野流全国大会期間中(旅行中)は日ごろの行ないが良かったからでしょうか、お天気に恵まれとてもラッキーでした。

全国大会(14日)からちょうど一週間が経ちました。
すっかり日常生活に戻っていますが、大会後の印象などをネットでつらつら眺めてみました。
インスタグラムに晴れ姿の写真をアップしている方、ブログに思い出を綴っていらっしゃる方、等々いろいろです。

中でも、昨年の大会後から一年の間、ひたすら準備に費やされた方のブログからは、全国から参集する同門の方々に良い香りを聞いて頂きたいという強い思いが感じられました。
香りが立つためには、香木の木所と質が重要なことは云うまでもありませんが、それを生かすも殺すも香炉の灰作り・火相(ひあい)次第であることを、いまだ初心者の私ですが痛感しています。

香炉灰の予熱、香炭団を埋める深さ、灰の掻き上げ、灰の押し様などなど、ひたすら修練あるのみとはいえ、完璧となると気が遠くなります…。
火が遠ければ香りは立たず、火が近ければ煙が出る、といった具合で微妙な火加減は本当に難しいところです。

今回は、一つの組香席で計5回のお席が持たれましたが、香炉がどうしてもだんだん熱くなるので、次の席との合間に香炉を冷やしたという記事を目にした時には、少々驚きました。(経験した人にしか解らないことですね…)

ともあれ、今回参加したお席に関しては、何れも運営は素晴らしく、香元・執筆のお手前もお見事で、香木の香りもちゃんと立っていました。
修練の成果ありあり!という感じでした。

来年の30回記念大会は名古屋で開催されると聞いています。
とりあえず、元気に年を越さねばなりません。

香道一口メモ・33【一木香の起こり】

鎌倉時代にはいると武士社会の信条と、伝来した中国の仏教思想の影響にもよろうが、調合した薫物(たきもの)より沈水香一種に枯淡の美を見いだし、それ自体の使用が起きた。武士が出陣の際、からだや武具に香木をたきこめ、ものの浄化、精神統一をしたのは、その一つの表れ。平安時代に広く普及した薫物は余脈を保ちながら衰微した。

武士が出陣の際、からだや武具に香木をたきこめたことに関して、2016年3月16日付読売新聞文化欄に日本史家・磯田道史氏の興味深い記事が載っていました。
PDFにした記事は、右をクリックすると表示されます。→ 16.03.16yomiuri

※パソコンでは表示されると思いますが、スマホ等では表示に問題が生じるかもしれません。