香道一口メモ・36

暦を見ると、昨日は二十四節気の一つ「霜降」。
文字通り霜が降りるようになる頃ということですが、東海地方ではもう少し先になりそうです。
昨日は富士山で初冠雪、札幌でも雪が降ったとか…。
先週訪れた奥入瀬の紅葉は見事でしたが、紅葉前線はどこまで南下しているのでしょうか…。

香道一口メモ・36【闘香(とうこう)】

先例を中国に求められるようだが、鎌倉時代の末から室町時代に盛んに行われた香合わせの遊戯。沈水香、白檀をたき、香りの優劣を競った。その際に賭(かけ)物を出し単純な勝負事に終わることが多く、香木の香気を深く鑑賞するまでに至っていない面もあった。当時の書は賭事の弊害を挙げており、公式に禁令の出たこともあった。

「闘茶」があれば、「闘香」も必然でしょうか。

「闘茶」は鎌倉時代末期から室町時代に盛んに行われた茶会の一種で、茶の味を判別する遊技として催され、その際に賭物を出すことが多かったため禁制の対象とされたこともあったようです。
初めは、本茶と称された栂尾の茶と、それ以外の産地の非茶とを飲み分ける遊技であったのが、後には本茶・非茶にかかわりなく四種十服という形式の茶勝負が標準となったようです。

『原色茶道大辞典』によると、これは四種の茶のうち、三種は各三服、残りの一種(これを「客茶」ともいい、試し飲みをさせなかった。三種分についても試し飲みをさせない場合は「無試茶」といった)は一服とし、計十服分について技を競ったとあります。

吉川家本『元亨釈書』紙背の延徳三年(1491年)正月二十一日付けの闘茶の記録です。<出典:『原色茶道大辞典』(淡交社)>

志野流香道にかかわっている方は、直ぐに気付かれると思いますが、これは十種香あるいは十炷香の記録紙とそっくりです。
合点の掛け方まで?同じです。(原本を見てはいませんが…)
名乗りの「花鳥風月…」も面白いと思います。
なお、あと書きに記十十十種茶勝負とあることから、三十服茶の一回分(四種十服)であることが解ります。