陽明文庫

昨日の朝日新聞夕刊に「都ものがたり 京都」と題して、近衛文麿が設立した陽明文庫の記事が載っていました。

以前、30人弱の団体で陽明文庫の書庫と虎山荘を見学したことがあり、場所や建て物の造りを思い出しながら懐かしく?記事を読みました。

書庫内ではガラス越しに藤原道長の「御堂関白記」を眺め、虎山荘の広間では歴代天皇自作のおびただしい数の茶杓を拝見し、文庫長・名和修氏のお話に恐れ入ったりした記憶は、時が経った今でも鮮明に蘇ります。

※記事の画像です。

記事のPDFはこちらです。→ 2017.11.30asahi

その時は、目玉がもう一つあり、裏千家今日庵の内部見学が予定されていました。

扇子や懐紙、白ソックスを用意し、先ずは祖堂入口(両脇に長次郎作の兎)でお参りするわけですが、薄暗い堂の中から吹いてくる湿り気を帯びた独特の匂いの風に身震いした覚えがあります。

それから各部屋に案内されて丁寧な説明を受け、最後にお点前のもとでお菓子とお薄をいただき、見学会は終りとなりました。

見学会は緊張の連続となりましたが、予想外であったのは廊下の狭さ、天井の低さでした。

狭いところが苦手な私にとっては、なんだか息苦しくなりそうな佇まいであったように記憶しています。

後に、民放TV番組「百年名家」で裏千家内部が紹介されたことがあり、こちらも懐かしく視聴した覚えがあります.

この番組はタレントの八嶋智人が案内人で、彼ならではの視聴者ファースト?の味付けが魅力となっているようです…。

香道一口メモ・79【記録道具】

文台=記録をとる桑か漆塗り製の台。親硯(すずり)=文台に添う懸子(かけご)式の硯箱。重ね硯=客用で十面の小硯箱を台の上に組み付け、ふたの右に千鳥形の水滴、左に記紙差しをおく。台は記紙をのせる台ともなる。記録をとる者を「執筆者」、香をたく者を「香元」、盤を扱う者を「盤者」といい、この三者が一体となり聞香の座を進行させる。

※鳩居堂カタログより。