幣帛(へいはく)の紐の結び

志野流香道家元・松隠軒の「聞香始(もんこうはじめ)」で、床に飾ってあった「幣帛(へいはく)」の紐の結び方が、時々、気になっています。

幣帛は神前にささげる供え物の事で、床には柳筥(やないばこ)の中に五色の布がそれぞれ筒状に巻かれていて、一つ一つが和紙の紐で結んであったのですが、なんと結び目がきっちり十文字になっていたのです。(なっていたと思います。いや、なっていたような…。いや、……。)

どういう手順で結んであるのか興味を抱き、ネットなどで調べてみたのですが、よくわかりません。

ふいと思い出したのが、時代劇に出てくる御姫様たちが長い後髪を幅広の紙で束ねているように見える丈長(たけなが)の折り方です。

そして、幣帛の紐の結び(折り方)は、この応用ではないかと思い始めました。(見当違いかも…です!)

丈長は和紙の一種、紙質が厚い奉書紙の類で、縦が約55cm、横が約75cmのものと辞書にはあります。

また、これを細長く切って平らにたたみ、元結の上に装飾用として結んだ平元結(ひらもとゆい)のこととも書いてあります。

※日本国語大辞典より

この紙の折り方は以前折ってみたことがあり、手品のような簡単な手順にビックリした覚えがあります。

丈長の折り方はネット上にもあり、検索すれば見る事が出来ます。

折り方の【図】は作成が間に合いませんでしたので、また後日アップしたいと思っています。

勿論、正しい折り方という保証はなく、我流の折り方となりますが…。

今日も空気はとても冷たく、寒い一日でした。

香道一口メモ・121【印香】

香木を粉末にし、用途に応じて各種の香材を調合する。調合した粉末を硝煙で黒・緑・黄などに染め、のりで固め、種々の模様に型抜きし、自然に乾燥させたもの。練り香とは、製法が一部異なるが仏前や居所にたかれるたき物。いわゆる仏典の「和香」の乾香を印香、湿香を練り香に比類できる。これら薫香は、近年まで香道家においても製作されていた。

※志野流家元お好みの練香の銘は「松の齢(よわい)」で、松栄堂から販売されています。