没後200年大名茶人松平不昧

出雲松江藩主で大名茶人でもあった松平不昧の没後200年にあたり、畠山記念館と三井記念美術館の両館で、不昧公ゆかりの天下の名物が展示されています。(明後日の17日まで)

東京に用事が出来たのにかこつけて、遅まきながら両展覧会に出かけてきました。

品川駅で下車し、先ずは「畠山記念館」を訪れました。
荏原製作所創立者で茶人・畠山即翁のコレクションを収蔵・展示している記念館で、白金台の森の中に茶室と共に静かに佇んでいました。
もう、素晴らしい!の一言です。

※アプローチ

※記念館

入り口でスリッパに履き替えて入館。
展示会場は2階で、茶道具の名品がスペースをとりながらゆったりと展示してあり、心惹かれるものがありました。
畳に座して眺めるスペースがあったのには驚きましたが、すぐに馴染みましたネ。

圧巻だったのは、矢張り唐物肩衝茶入「油屋」でした。
チラシにも写真が載っていますが、幾重にも袋や箱で保護されて、それら一式が笈櫃(おいびつ)に収められている物々しさは、想像をはるかに越えていました。

※チラシの「油屋肩衝」と若狭盆、笈櫃など。

唐物肩衝の「日野」もありました。
また、メチャクチャ大きい茶入「吸江」には面白さで目を奪われました。
有名な文言「一口吸尽西江水」から引いた銘です。

茶碗で印象深かったのは、個人的には粉引茶碗の「松平」でしょうか。

天下の名物をゆったりと堪能しました。
私的には、ちょうど程良い記念館館所蔵の展示物42点でした。

展示館を出て、森の中にあるような雰囲気の茶室を眺めながら、ここでの茶会の景色を想像してみました。
素敵な雰囲気の茶会になるであろうこと間違いなしです…。

次に訪れたのは、日本橋の「三井記念美術館」。
「大名茶人 松平不昧」と銘打って、不昧公がらみの名品を大々的に寄せ集めた展示になっていました。
会期末が近いためなのか、都心の日本橋にあるためなのか、平日なのに結構な人出で肩越しに眺める品々もありましたが、私的には展示物の量がちょっと多すぎたようです。

茶碗の「喜佐衛門井戸」や「加賀光悦」は、矢張り存在感がありました。
面白いと思ったのは、松平不昧筆の「瓢箪自画賛」。
「独楽」の白文瓢印を三顆、「一々斎」の朱文瓢印を二顆を瓢箪に見立てた画に、「おまへ百なり わしゃ九十九なり ひゃうたむの 福べ福べと人のいふらん」との賛がある掛物でした。(おまえ百まで わしゃ九十九まで…、をもじったもの!)
こちらの展覧会は島根展が9月21日から島根県立美術館で催されるようです。