名刀紀行-五箇伝巡り-

徳川美術館では今日から「名刀紀行-五箇伝巡り-」の企画展が始まりました。

ちょうど別件で美術館に用事があり、ついでに館内をひとめぐりしてきました。

チラシには、【国宝】10振、【重要文化財】19振、【重要美術品】23振の名刀集結!とあります。

前書きには、「山城(京都府)・相模(神奈川県)・備前(岡山県)・大和(奈良県)そして美濃(岐阜県)の五か国は、平安時代から戦国時代にかけて刀剣製作が盛んで、後世に残る名刀が数多く誕生しました。五か国の刀工たちの作風は、国ごとに分類され「五箇伝」呼ばれています。徳川美術館本館では、尾張徳川家伝来の五箇伝の名刀を紹介します。」とあります。

徳川美術館が所蔵している刀剣の数は、ざっと500振(長刀などを加えると約1000とか…)と聞いたことがありますから、展示されるのは所蔵品の10分の1といったところでしょうか。
因みに、熱田神宮が所蔵している宝刀は約450振とか…。

展示されている刀剣をゆっくり見て回りましたが、どれもこれも良く切れそうな?輝きを放っていました。
刀剣の維持管理はさぞかし大変であろうと、全くの素人ですがおぼろげながら思った次第です。

気に入ったのは、家康が所持したという国宝の短刀・名物包丁正宗。(チラシ表面の短刀です)
幅広でありながらフォルムのバランスがとれていて、良く切れそうな素晴らしい一振でした。(^O^)

昨日の記事の中の「風盆」で思い出したことがあります。

『香道賤家梅(しずがやのうめ)』の中に収められている組香「風香」です。
これは『香道蘭之園』(淡交社)と同様の聞書の体裁であることから、志野流伝来とは云えないかもしれませんが、組香であることに変わりはありません。

この組香の「風」の部分には「ホノカ」とルビがふってあり、風香で(ほのか香)と読むことがわかります。
香組みは、春の香三包、夏の香三包、秋の香三包、冬の香(客香)三包の都合十二包を聞くというものです。
尤も、炷き出し方に変化を付けたり、四季に吹くいろいろな風を名目にしたりして、単調にならないように工夫されているようです。

それにしても、風をホノカと読むなんて想像もつきません…。

ホノカついでにもう一つ。

志野流のお茶席でよく使われる薄茶の銘が名古屋・一香園の「匂司」。
これは宗苾若宗匠のお好みであったと記憶していますが、「匂司」の読みは(ほのか)。
初見ではとても読めませんが、「四季雑香銘集」から引かれた茶銘と聞いたことがあります…。

なんとも雅な名前です。