名城市民茶会2019春

今日の名古屋は最高気温23.5℃のポカポカ陽気。
名古屋城内は満開の桜目当てのお花見客と本丸御殿見学の観光客で大賑わいでした。

名城市民茶会も大盛況で、今日は広間席と野点席に入りましたが、どちらも二席待ち。
席主さんは、広間席が裏千家・片山宗英氏、野点席が松尾流・河崎宗知氏。

広間席の床に掛かっていたのは、坐忘斎家元の一行「烟霞隔江水」(えんかこうずいをへだつ)。
煙霞はぼぅっとかすんだ風景、江水は揚子江(長江)。
長江の向こう岸が見えないほどの幻想的な風景のイメージでしょうか…。

※野点席

※水面には花びらが…。

志野流香道先代家元・蜂谷幽求斎宗由宗匠(1902~1988)が月刊誌に寄稿されていたという「香道の心得」です。

香道の心得 ◆卯月◆ (1)

 聞香の大きな分野を占めている組香は、名香合(めいこうあわせ)(名香を二種一組にして香りの優劣を判じる合わせ物)の行われていた十五世紀半ば頃には、逐次、考案され始めていたようです。
組香には、早期に属し、後世の基礎となった十炷香や十種香、組香の代名詞にまで言われている源氏香など数や図で表示する素朴な形式から、沈水香木の品質と古典文学との研究により、主題を和歌、漢詩、物語などに拠った複雑かつ高踏的なものや、貴人、武人の武遊芸を題材に、それらを模した小道具を用いる競馬、蹴鞠、舞楽、花軍、鷹狩香その外の、視覚にも訴える「盤物(ばんもの)」に至るまで多様な形態を有する多くのものがあります。その大部分は江戸時代の作で五百以上を知ることが出来ますが、題名の変更と内容の修正が行われて原作通りでないもの、また現在、盤物と言っても名所、矢数、競馬香の「三組盤」を多用するように、あまりにも遊戯的で、聞香本来の精神から遊離してしまった理由によりましょうが、すでに衰微してしまって名を残すだけのものもあります。