(2017.12.31記)

埋火や夜中は明日の人通り

茶道家元では大晦日の夜、炉中の火を埋火にして新年に引き継ぎ、未明には若水を汲んで茶を点てるのが習わしと聞いたことがあります。

志野流香道では、歳の暮れには「歳暮香」があちらこちらの教場で催されているようです。

香の出により、いろいろな名目が用意されていますが、大晦日の名目はさしずめ「除夜の歳暮」と云ったところでしょうか。

除夜と云えば除夜の鐘ですが、組香には「除夜香」(大外組)があります。

◆香は三種

年として 六包で内一包試
月として 同断
日として 同断

◆聞き方

年(とし)・月(つき)・日(ひ)の試みを聞いた後、
①年、月、日の各一包計三包を除いた残り十二包を打ち交ぜて聞きます。(一年は十二ヶ月です)
②除いておいた年・月・日の計三包を打ち交ぜ、内一包をとり聞きます。(一包は「閏」に比す)

◆和歌と名目

①において、十二炷目が年・月・日の何れかにより、本香の下に歌を書きます。
年ならば、年くれて春はとなりとなりにけりこよひばかりやへだてなるらん (師時)
月ならば、月よめば十月あまりて二月のみそかになるはこよひなりけり   (顕仲)
日ならば、あすよりは春のはじめといわふべしけふばかりこそことしなりけり(公実)

①において、銘々の十二炷目は聞きに応じて、歌の上の五文字で答えます
十二炷目が年ならば、年くれて
十二炷目が月ならば、月よめば
十二炷目が日ならば、あすよりは

②において、後の一炷(十三炷目)が年・月・日の何れかにより、次の名目を本香の歌の下に書きます。
年ならば、新年
月ならば、初春
日ならば、元三(がんざん)

②において、銘々の後の一炷(十三炷目)は聞きに応じて、次の名目で答えます。
十三炷目が年ならば、あら玉(新年)
十三炷目が月ならば、睦月
十三炷目が日ならば 初日

なお、全当りの人には点数の処に隣春(はるどなり)と書かれます。

※上記の名目のうち、初日は初日影とも記すようです。

◆メモ

・元三(がんざん)=歳・月・日のはじめ(元)であることから、正月一日のこと。
・後の一炷は「閏」に比していると思いますが、そもそもこの組香がいつ頃組まれたものなのか、機会があれば調べてみたいと思っています。理由は閏年、閏月、閏日のうち、旧暦に関わっているのは「閏月」だけではないかと思っているからです。

尤も、江戸時代の鎖国制度のもとでも、長崎出島は開いていましたから、グレゴリオ暦(1582~)が知られていたことは想像できますが…。

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旧暦の今年?は、閏五月がありましたので区切り線を十三本引いてみました。<m(__)m>

静かな静かな大晦日です。

年越し蕎麦もいただきました。

まもなく紅白歌合戦が始まります。

皆さま、どうぞ良い年をお迎えください。