「和楽会」は、季節の移ろいと共に和の文化を楽しむことを目的として、2001年から始まりました。
月一回、美味しいお菓子と設えを楽しみながら、一服のお茶をいただいています。(時には香も…)
◆第283回 「名残の風炉」 2024.10.22*
[主菓子]秋桜(亀屋芳広)/[干菓子]栗・稲穂・雁 /[花]ホトトギス・藤袴・高野箒
10月も下旬に入り、風炉の季節もそろそろ御仕舞ということで、今月は長板一つ飾りの趣向。
掛物は稲穂に雀の画、実りの秋に合わせ、祭り太鼓型の薄器に稲穂の茶碗の取り合わせです。
明日は二十四節気の「霜降」、11月の声を聞くと「開炉」を何時にしようかと思案もします。
丸畳を上げて…、濡れ灰を用意して…、そろそろと炉用の道具の準備です。 !(^^)!
※藤袴とホトトギス
◆第282回 「彼岸の頃」 2024.09.25
[主菓子]栗きんとん(寿や)/[干菓子]銀杏・押し板 /[花]芙蓉
あの猛残暑はどこへやら、ここ四日ほど朝夕の気温が下がり、やっと秋が来たことを実感。
「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく云ったもので、格言通りに季節は推移していくようです。
今日の床の掛物は李白の七言絶句「哭晁卿衡」を認めたもので、きっちり二行七文字です。
~晁卿衡(阿倍仲麻呂)を哭す~ (以前、中国・西安を訪れた時に購入したお土産)
日本晁卿辞帝都
征帆一片繞蓬壺
明月不帰沈碧海
白雲愁色満蒼梧
長板総飾りの趣向で、久しぶりの濃茶回し飲みでした。
花は芙蓉、唐金の鶴首にドンピシャでおさまりました。
◆第281回 「処暑の頃」 2024.08.28
[主菓子]清流めぐり(俵屋吉富)/[干菓子]風の盆薄氷(五郎丸)・夏柑子(老松)/[花]朝顔
台風10号は九州へ上陸し、その後日本列島を縦断するような進路予想が出されています。
暑さが少し和らいできたとはいえまだまだ暑く、茶の湯でも「涼」が求められる頃です。
今日は、水で点てられる抹茶「京極の昔」に、ガラスのピッチャー、茶碗の取り合わせ。
ピッチャーの蓋にはツワブキの葉を用い、仕組んだ茶碗と茶器を丸盆に乗せてのお点前。
掛け花は、蝉籠に朝顔を入れ、床には一昔前の中国・桂林旅行の山水画が掛かりました。
主菓子は涼やかな錦玉、到来物の干菓子は越中八尾・風の盆バージョンの「薄氷」です。
冷茶をいただきながら、暑かったこの夏をなんとか処しそうなことに感謝した次第です。
◆第280回 「祇園祭の頃」 2024.07.24
[主菓子]したたり(亀廣永)/[干菓子]月世界・生姜糖/[花]ヒオウギ
今日は京都・祇園祭の後祭「山鉾巡行」の日。祭に因んで掛物は「神輿洗い」の画賛。
掛け花は、邪気を払うという祇園祭の花・ヒオウギ【檜扇】が賀茂川籠に入りました。
小棚の桑小卓に染付の茶器、山水画水指、平建水、そして蟹蓋置が定番の取り合わせ。
猛暑日が続くなか、冷やした錦玉糖の「したたり」が涼味満点のお菓子となりました。
恒例となっているお香は三種の香りを楽しみました。 (^^)
◆第279回 「梅雨時」 2024.06.26
[主菓子]井戸辺(亀屋芳広)/[干菓子]団扇・風鈴・糸巻/[花]半夏生・花筏の実・擬宝珠
6月21日に東海地方も梅雨入りとなりました。(奇しくも「夏至の日」と重なりましたネ)
なんとなくどんよりとした日が続いていますが、6月も残り四日、来週は早や?7月です。
月末の「夏越の祓」に向けて、定番のお菓子「水無月」の予約も済ませ、準備は万端です。
今月の床は「晴好雨奇」(晴れてよし、雨もまた奇なり)/どちらも趣があるってこと?
今月は、紹鷗水指棚に義山の水指、蛍をあしらった縞柿の茶器、義山の蓋置の取り合わせ。
7月7日は新暦での「七夕」。かって床に笹竹を飾って催した「七夕香」を思い出します。
月日は流れ流れて、思い出になることが年々増しているように感じます。(実践第一!)
檜扇の花芽が伸びてきました。今日は間に合いませんでしたが、明日にでも咲きそうです。
※花入は鉄線籠で、写真の花はギボシ【擬宝珠】。
※黒くて丸い粒はハナイカダ【花筏】の実(1cm程)。味見してみるとほんのり甘みが…。
◆第278回 「初風炉」 2024.05.22
[主菓子]あやめ(亀屋芳広)/[干菓子]鈴蘭・水/[花]下野・岡虎尾・蛍袋・紫露草
5月の声と共に炉畳から丸畳に替え、風炉の季節を迎えています。
床の掛物は蘇人和尚の「動中静(どうちゅうのじょう)」。
鉄線籠には咲き出した季節の花が入りました。
青時雨の時季、お香は三種でした。
気持ちも新たに初風炉です。
◆第277回 「炉の名残」 2024.04.23*
[主菓子]牡丹(亀屋芳広)/[干菓子]桜・菜種の里/[花]黄エビネ
表千家流では四月に「つり釜」をすることが多く、当方も習いとしています。
お棚は久しぶりに「抱清棚」、地板がなくて水指を運び出す点前となります。
床には小鼓の花入に地植えの黄エビネが入りました。
干菓子は到来物の松江・三英堂「菜種の里」(雅趣)。
お香は五包を炷き出し、名残に香りを添えました…。
◆第276回 「利休忌」 2024.03.27
[主菓子]桜花(亀屋芳広)/[干菓子]有平糖・貝/[花]菜の花
天正十九年(1591)二月二十八日に切腹を命じられた千利休は自刃。明日は月遅れの命日。
表千家の利休忌は確か前日の二十七日、即ち今日ということで和楽会は供茶となりました。
例の「人生七十……」の文言を記した利休座像を床に掛け、経筒には菜の花を入れました。
今年も利休忌が迎えられたことに、そして茶の湯が続けられていることに感謝感謝です…。
お香はかって香席で炷かれた香木四種を再び銀葉に載せて、馥郁たる香りを楽しみました。
◆第275回 「雛祭りの頃」 2024.02.28
[主菓子]満寿の露(虎屋)/[干菓子]土筆・有平糖/[花]桃
二月も明日の29日を残すのみ、明後日は早や三月です。(旧暦では未だ一月…)
床の掛物、置物、寄付掛物はいずれも上巳の節供・桃の節句に因んだお雛様です。
主菓子は到来物の虎屋竿物の三段重ね酒粕入羊羹、流石は虎屋の味と食感でした。
好文棚(梅の異称は好文木)、菱馬の水指、雪洞蓋置、茶器は宗観十二月の薬器。
桃の花、葵の御鈴、薩摩雛色紙を飾り、気分はすっかり3月3日に向かっています。
お香は十年前の香会の余香を長盆略手前で三炷愉しみました。 (^^)
◆第274回 「稽古初め」 2024.01.24
[主菓子]御題菓「和」(亀屋芳広)/[干菓子]羽子板?・金平糖/[花]若松
干支「甲辰」の稽古初めは今冬一番の寒波到来により、うっすらの降雪に見舞われました。
床の掛物は新春定番の「春入千林處々鴬」。本歌は「春入千林處々花 秋沈万水家々月」。
大棚「紹鴎棚」は武野紹鴎好みとして、二枚引きの襖の縁は紹鴎緞子の裂で廻すのが定番。
地袋の右側に入っている水指は、矢張り「砂張(さはり)」の平水指がよく合うようです。
例年のように、今年もまた稽古初めが迎えられることに、深く感謝、感謝です。 (^^)
◆第273回 「歳暮」 2023.12.27
[主菓子]ゆずの里(亀屋芳広)/[干菓子]雪輪・銀杏/[花]椿「西王母」
今年も残すところ4日となり、改めて月日の流れの速さに驚くばかりの歳暮の和楽会でした。
床の掛物は隔年使いの蘇人筆「無事是貴人」。床柱には長さ二尺一寸の神代杉花入に椿を…。
長板総飾りには長年愛用の唐子唐草の蜜柑水指を、そして蓋置には火舎の取り合わせでした。
今年も無事に歳暮を迎えられたことに感謝です。歳歳年年人同じからず、ではありますが…。
◆第272回 「炉開き」 2023.11.22
[主菓子]山茶花(亀屋芳広)/[干菓子]吹き寄せ/[花]椿「炉開き」・山茶花・菊
丸畳を炉畳に替え、心新たに「炉開き」です。床の掛物は「關(かん)南北東西活路通ず」。
タバコ葉皆具を用いて、長板総飾りの趣向です。干菓子はこの時期定番の「吹き寄せ」です。
飾り壺の緒を「真・行・草」に結ぶのは年に一回、この時季の習いです。何とかサマに…?
◆第271回 「名残」 2023.10.25
[主菓子]紅葉(亀屋芳広)/[干菓子]栗・稲穂・芋/[花]杜鵑草・藤袴・菊・高野箒
5月から楽しんだ風炉の季節は終わりが近づき、今月は名残りの趣向です。(茶の名残!)
床の掛物は「稲穂に雀」で秋の実りに感謝の意です。習いに従い、細水指に中置きの設え。
10月に入ってから急に寒くなった感じで、早や初冬の趣、秋は随分と短かったような…。
来月、立冬後の亥の日は「炉開き」。そろそろと丸畳を炉畳に替え開炉の準備を整えます。
◆第270回 「芋名月の頃」 2023.09.27
[主菓子]秋の月(亀屋芳広)/[干菓子]月世界・芋/[花]薄・萩・雁金草・水引
中秋の名月は二日後の29日。主菓子・干菓子・掛花・掛物・香合・茶碗・茶器・蓋置など、
一足先にお月見気分の取り合わせです。干菓子は到来物の富山・月世界本舗の「月世界」。
口の中でシュワシュワ~と溶けてゆく月世界の食感は正に至福の味わいです。(感謝!)
掛物はこの時季定番の「日本晁卿辞帝都…」の詩で、中央に明月の文字が見える中国土産。
恒例となっている聞香は三種でした。明後日は団子でお月見です。 (^^)
◆第269回 「初秋」 2023.08.23
[主菓子]くずきりそうめん(桂月堂)/[干菓子]和三盆 /[花]朝顔・金水引
床にはふた昔前の旅行土産の山水画を掛けて、掛け花は蝉籠に朝顔・金水引を入れました。
豪州土産の大ぶりのギヤマンに割蓋を合わせて水指に見立て、平茶碗を取り合わせました。
主菓子は到来物の松江・桂月堂「くずきりそうめん」(写真は抹茶味)。干菓子は和三盆。
羽根さぬき本舗<四季の華>と讃岐高松三友堂<アールグレイ和三盆>の品で共に到来物。
暑さも治まる頃と云われている二十四節気の「処暑」。気配を感じるのは気のせいかも…。
聞香は三種類でした。 (^^)
◆第268回 「祇園祭の頃」 2023.07.26
[主菓子]磯すずめ(不破福寿堂)/[干菓子]朝顔・水 /[花]ヒオウギ【檜扇】
京都・祇園祭の山鉾巡行は17日の前祭に続き24日の後祭でも盛大に行なわれたようです。
祭りに因んで、床には神輿洗いの画賛を掛け、掛花は加茂川籠に邪気を払うヒオウギです。
桑小卓に染付の茶器、水指、平建水・蟹蓋置を取り合わせ、平茶碗で薄茶の趣向でした。
主菓子は到来物の富山高岡の「磯すずめ」。蛤に錦玉と小倉を閉じ込めて涼味満点です。
今日の和楽会に何よりの一品となりました。感謝!
◆第267回 「梅雨時」 2023.06.28
[主菓子]睡蓮(亀屋芳広)/[干菓子]水・他 /[花]梶葉・擬宝珠・半夏生
床の掛物は「清水」、鉄線籠には梶の葉を入れてほんのりと「七夕」が近いことを予感。
紹鴎水指棚には蛍画の黒柿棗と義山の水指を取り合わせ、揺れる水のきらめきを楽しむ。
襖から葦戸に入れ替え、座敷すだれも掛けて、お席はすっかり夏模様。
折からの高い気温の上に梅雨時とあって蒸し暑く、エアコンは不可欠。
これも時代の流れでしょうか…。
◆第266回 「初風炉」 2023.05.26
[主菓子]あじさい(亀屋芳広)/[干菓子]霜かわら・他 /[花]下野・蛍袋・都忘
風薫る5月は初風炉の時季。主菓子銘の「あじさい」は別名「四片(よひら)」とも…。
到来物「霜かわら」(京都・白)は、昆布片に砂糖をまぶした懐かしくも美味しい一品。
床には蘇人筆「動中静」、鉄線籠には庭に咲く季節の花を入れ、薄茶一服楽しみました。
大過なく、今年も風炉の季節を迎えることができたことに、感謝の念を強くしつつ……。
◆第265回 「仕舞い炉」 2023.04.26
[主菓子]あやめ(亀屋芳広)/[干菓子]青葉・流水 /[花]エビネ
4月も末となると「目には青葉山郭公初鰹」(素堂)の句がピッタリくる時候です。
半年間楽しんだ炉とそろそろお別れで、表千家流では4月に釣釜をかけるのが常道。
旧暦では閏二月があったことから、まだ旧暦三月の上旬なので掛物は「曲水の宴」。
小鼓の胴の花入には落としを入れて、今が盛りの黄色系のエビネ二種が入りました。
釣釜には五徳の蓋置、そして旅箪笥を取り合わせるのが当席の定番となっています。
近々灰の始末の後、炉に蓋をし、炉畳を丸畳に変え、風炉を据えることになります。
今年もまた、巡り合うことができることに感謝感謝です。聞香は四種でした。
◆第264回 「利休忌」 2023.03.22
[主菓子]桜(亀屋芳広)/[干菓子]貝・土筆 /[花]菜の花
千家流茶道の祖・千利休が亡くなったのは天正十九年(1591)旧暦二月二十八日です。
例年、表千家では3月27日に、裏千家では翌28日に「利休忌」が営まれているようです。
今月の和楽会は、床に利休坐像の画賛を掛け、経筒に菜の花を入れ、供茶を捧げました。
例年通り、真塗四方棚に、茶器は朱塗りの仏器の取り合わせです。
今年もつつがなく利休忌を迎えられることに感謝して一服を頂戴しました。
◆第263回 「雛祭り近し」 2023.02.22
[主菓子]菜の花畑(亀屋芳広)/[干菓子]菱・打ち物 /[花]桃・菜の花
2月22日は、ニン・ニン・ニン、ニャン・ニャン・ニャンの語呂合わせで忍者、猫の日。
惺斎好みの梅の透かしが入った「好文棚」には、左馬菱形水指、雪洞蓋置の取り合わせ。
花入には桃の花と菜の花。掛物は例年定番となっている「のんどりと…」の寿老人画賛。
上加茂神社の「葵のみすず」一対で雛飾りの気分。炉にはお題香も。聞香は三種でした。
◆第262回 「稽古始め」 2023.01.25
[主菓子]かぶらむし(風流堂)/[干菓子]道芝・梅 /[花]若松
10年に一度という最大級の寒波襲来。名古屋の最低、最高気温は-3.8℃、2.7℃の冷たい一日。
主菓子は到来物の松江・風流堂の「かぶらむし」、干菓子は同「道芝」の御馳走となりました。
床には明道筆「春入千林處々鶯」の一行。本歌は「春入千林處々花 秋沈万水家々月」の対句。
ぶりぶり香合を飾り、点前座は長板総飾り、重ね茶碗の趣向で新春の稽古始めを楽しみました。
到来物の小山園「天授」による各服点・濃茶は格別の美味しさ。恒例の聞香は香木三種でした。
◆第261回 「歳暮」 2022.12.28
[主菓子]椿(亀屋芳広)/[干菓子]菜種の里・雪輪 /[花]蝋梅・西王母
今年も掛物の字の如く「無事」に年の瀬を迎えることができました。すべてに感謝です。
亀甲竹の掛花入には、西王母と素心蝋梅。趣味どきっ!裏千家のアオモジに倣いました。
到来物の「菜種の里」(三英堂)は美味。長板総飾りでは蜜柑水指が存在感を放ちます。
蓋置は「火舎香炉」。今年も残すところ僅か三日、振り返れば今年の漢字「戦」は的確。
毎年、年末になるとお茶会で拝見した句を思い出します。「埋火や夜中は明日の人通り」
◆第260回 「開炉」 2022.11.23
[主菓子]干柿(亀屋芳広)/[干菓子]吹き寄せ /[花]山茶花・満天星躑躅照葉
炉の季節に入りました。今年も無事に開炉を迎えることができたことに感謝の思い一入。
床の掛物は大徳寺大仙院・桃林宗園の一字「道」、脇の飾り壺も一役です。
雨の一日、長板総飾り、色絵タバコ葉文の皆具で開炉を祝いました。定番の聞香も…。
◆第259回 「名残りの茶」 2022.10.26
[主菓子]柿(亀屋芳広)/[干菓子]稲穂・雁・銀杏 /[花]杜鵑・高野帚・石蕗・菊
昨日は旧暦の十月(亥の月)一日、しかも亥の日とあって、旧「炉開き」の日でした。
でも、ちょっと早すぎる感があり、趣向は名残の風炉、長板一つ置き(中置き)に…。
床の掛物は稲穂に雀、茶器に太鼓形を合わせて、秋祭りの趣きも…。
風炉の炭手前に用いた香は、白檀の角割をベースにした風情ある「付干(つけぼし)」。
沈香の深い香りに包まれながら、二服のお茶で風炉の名残りを惜しみました。
◆第258回 「月見の頃」 2022.09.28
[主菓子]したたり(亀廣永)/[干菓子]月・兎・葉・芋 /[花]萩・水引
中秋の名月・十五夜は9月10日でした。後の月・十三夜は10月8日となっています。
床の掛物は、中国の書家が認めた定形・二行七文字からなる李白の詩で西安旅行のお土産。
「日本晁卿辞帝都」ではじまる帰国の途に就いた阿倍仲麻呂(晁卿)を詠んだ七言絶句です。
二行目の中央に「明月」の文字が見事に収まっていて、書家の見識の高さがうかがわれます。
主菓子「したたり」は移ろう季節の名残りです…。
◆第257回 「初秋」 2022.08.25*
[主菓子]虫の音(亀屋芳広)/[干菓子]鶏頭・芋葉 /[花]朝顔・綿
二十四節気「処暑」を過ぎ、季節はゆるやかに秋へと移ろっています。夜には虫の音も…。
床の掛物は、中国桂林土産の山水画。掛花入れには蔓を垂らした朝顔と実を結んだ綿の茎。
水指は豪州アラダラ記念の大きなギヤマン(義山)のボールに割り蓋を合わせたものです。
まだまだエアコンが欠かせませんが、部屋を流れる風は初秋風の心地? 香は四種でした。
◆第256回 「祇園祭の頃」 2022.07.27
[主菓子]睡蓮(亀屋芳広)/[干菓子]種煎餅・金平糖(緑寿庵)/[花]ヒオウギ
祇園祭は17日・24日の前・後の山鉾巡行が有名ですが八坂神社の祭礼は7月中続きます。
床の掛物は「樂日」の賛に「神輿洗」の画。明日28日は祇園祭の神輿洗いの日です。
邪気を払うとされる祇園祭の花・ヒオウギ【檜扇】を賀茂川籠に入れて掛け花に…。
桑小卓に染付山水の手瓶・水指・平建水の取り合わせです。(写真が小さい!)
◆第255回 「梅雨時」 2022.06.22
[主菓子]撫子(亀屋芳広)/[干菓子]青楓・蛍・水/[花]梶葉・水引・擬宝珠
掛物は蘇軾(そしょく)の詩から「晴好雨奇(せいこううき)」。(今日は雨模様!)
晴れてまさに好し、雨もまた奇なり、それぞれに趣きがある、といった意味でしょうか。
鉄線籠にはギボシ、水引と共に、7月の七夕が近いことから梶の枝葉を入れてみました。
※紹鷗水指棚に蛍蒔絵中棗、義山水指の取り合わせでした。
◆第254回 「初風炉」 2022.05.25
[主菓子]紫陽花(亀屋芳広)/[干菓子]円照寺・半生菓子/[花]下野・蛍袋
掛物は蘇人筆「動中静」。鉄線籠の花入には下野(しもつけ)と蛍袋、そして葉物を…。
主菓子は四片(よひら)の別名を持つ紫陽花。干菓子には奈良・円照寺の型抜き葛菓子。
丸畳に入れ替え、気持ちも新たに初風炉を迎えました。今回も聞香と薄茶のセットです。
◆第253回 「釣釜」 2022.04.27
[主菓子]ゆり(亀屋芳広)/[干菓子]半生菓子/[花]えびね
床の掛物は「曲水の宴」の画賛。京都・城南宮での催しは4月29日ですが今年は非公開。
花は今が盛りの地植えのエビネで、花入れは小鼓の胴に受けを入れたもの。
表千家流では釣釜は4月、取り合せは旅箪笥。やがて炉畳が丸畳に替わり風炉の季節に。
◆第252回 「利休忌」 2022.03.23
[主菓子]すみれ(亀屋芳広)/[干菓子]蝶・蕨・花筏/[花]菜の花
今日は旧暦の二月二十一日。利休の命日より七日早く、細やかながら利休忌を営みました。
利休坐像の画賛を掛け、経筒に菜の花を入れ、習いに従って供茶を捧げました。
例年通り、棚は真塗四方棚、茶器は朱塗りの仏器でした。
「人生七十 力囗希咄 吾這寶剣 祖仏共殺 提ル我得具足の一太刀今此時ぞ天に抛」
◆第251回 「雛祭る頃」 2022.02.23
[主菓子]土筆(亀屋芳広)/[干菓子]菱・手まり・打ち物/[花]桃・菜の花
来週は雛祭り。好文棚に左馬の菱形水指、蓋置は雪洞の取り合わせです。(薄器は薬器)
掛物は寿老人の画賛で「福ろく寿ながいかしらをのんどりと春の日かげにくらべぞ見る」。
床の右側には男雛・女雛として上賀茂神社「葵のみすず」が鎮座しています。
◆第250回 「稽古始め」 2022.01.26
[主菓子]雪華(亀屋芳広)/[干菓子]半生菓子種々/[花]南天・松・蝋梅
2001年4月から始まった月イチの和楽会は足掛け21年で節目の250回目を迎えました。
濃茶は各服点、床は正月飾りそのままで南天の赤い実とブリブリ香合が彩りを添えました。
寄付きは「虎嘯(こしょう)」の短冊と虎香合の趣向。聞香は伽羅を炷いて祝いました。
◆第249回 「歳暮」 2021.12.22
[主菓子]万両(亀屋芳広)/[干菓子]雪輪・茸/[花]冬の花蕨・侘助・寒菊
床の掛物はこの時季定番の「無事是貴人」。一年を経てまた掛けられることに感謝です。
床柱の掛け花入は亀甲竹。長板総飾りの趣向で、染付の蜜柑水指は長年愛用の一品です。
聞香と茶の湯は程よく調和して、すっかり気に入っています。
◆第248回 「炉開き」 2021.11.24
[主菓子]水仙(亀屋芳広)/[干菓子]紅葉・銀杏・菊/[花]照葉・嵯峨菊・西王母
旧暦十月(亥の月)二の亥の日は昨日でした。一日遅れの「炉開き」です。
到来物の菊花の粉末を一晩浸した菊酒でちょっとしたお祝いです。(まろやか~)
掛物の読みは「関(かん) 南北東西活路通ず」。
◆第247回 「名残り」 2021.10.27
[主菓子]姫菊(亀屋芳広)/[干菓子] 菊・栗/[花]藤袴・秋明菊・杜鵑草・他
10月は「中置」が定番。今月で風炉は一区切りとなり、来月は炉の設えに模様替えです。
床の掛物は実りの時季に合わせ「雀に稲穂」の画。桔梗口の花入れには季節の花を五種。
時の流れの速さにぼうぜんとしつつも、また炉の季節に巡り合えることに感謝です…。
◆第246回 「彼岸の名月」 2021.09.22
[主菓子]秋の夜(亀屋芳広)/[干菓子]蕣花・しおがま /[花]薄・萩
床の掛物は丁度真中に「明月」の文字が入っている李白の七言絶句「哭晁卿衡」の写し。
中国名晁卿こと阿倍仲麻呂は753年に遣唐使藤原清河とともに帰国の途に就いたが船は難破。
仲麻呂は死んだという噂が伝わって、李白の耳に入ったものと思われます。
仲麻呂は安南(ベトナム)に漂着し、その後、長安に戻って一生を終えています。
◆第245回 「消(銷)夏の頃」 2021.08.25
[主菓子]磯ちどり(志乃原)/[干菓子]水・青楓・金魚 /[花]朝顔
主菓子は富山・高岡市の老舗・志乃原の品で、蛤に寒天を流し込んだ涼菓「磯ちどり」。
山水画の掛物は中国・桂林を観光した時のお土産。義山の水指は豪州アラダラ土産。
蝉籠に入っているのは朝顔。秘伝の?手を尽して、花・蔓とも萎れずにシャンとしています。
◆第244回 「祇園祭の頃」 2021.07.28
[主菓子]向日葵(亀屋芳広)/[干菓子]朝顔・西瓜・他 /[花]檜扇・下野・金水引
京都・祇園祭と云えば山鉾巡行がよく知られていますが、関連行事は七月一杯続くとか…。
床の掛物は「神輿洗い」の画賛。賀茂川籠花入れには祇園祭の花・ヒオウギが入りました。
棚は桑小卓、天板には四滴茶入の内の油滴を飾り、水指・建水は山水の染付です。
◆第243回 「梅雨半ば」 2021.06.23
[主菓子]清流(亀屋芳広)/[干菓子]葦・水・螢 /[花]岡虎尾・擬宝珠・捩花
すっかりお香とお茶が定番となっている和楽会。毎回、炭団とお炭は欠かせません。
花入は「手付丸籠」、掛物は「清水」。梅雨半ばとあってお席に「水」が溢れています。
毎月23日に催される城山八幡宮・洗心茶会は、今月も臨時休会でした…。(covid-19)
◆第242回 「初風炉」 2021.05.26
[主菓子]すずらん(亀屋芳広)/[干菓子]鮎・水 /[花]下野・螢袋・姫檜扇・都忘
五月から十月まで風炉の時季。畳は丸畳に変わり、気分も新たに初風炉は長板二つ置き。
掛物は蘇人筆「動中静」(どうちゅうのじょう)。『茶席の禅語大辞典』にある解説は、
静かなところでしか保てないような心の静けさは、本当の心の静けさではないと……。
◆第241回 「炉の名残り」 2021.04.28
[主菓子]あやめ(亀屋芳広)/[干菓子]五福のわ・青かえで /[花]えびね
一週間後の立夏を前にして、旅箪笥に釣釜の取り合わせは、半年間開いた炉の名残りです。
干菓子の「五福のわ」は五色を象った福岡市の御菓子處「五島」の飴。お洒落です。
掛物は蘇人筆「風吹南岸柳 雨打北池蓮」。月イチの和楽会は21年目に入りました。
◆第240回 「利休忌」 2021.03.24
[主菓子]桜花(亀屋芳広)/[干菓子]蝶・貝 /[花]菜花
利休の命日は天正十九年二月二十八日。三千家での利休忌は月遅れの3月27・28日です。
一足早く、床に利休座像の画賛を掛け、経筒に菜の花を入れ、供茶を捧げました。
棚は真塗りの四方棚、茶器は朱塗りの仏器を取り合わせ、利休を偲びました。
◆第239回 「雛祭りの頃」 2021.02.24
[主菓子]春景色(亀屋芳広)/[干菓子]鶯・梅・松 /[花]桃・菜花
定番の男雛女雛の画を掛けて、一週間早く雛祭りの気分を楽しんだ和楽会。
棚は五弁の梅の透かしが入った好文棚、水指は左馬菱形のもの、蓋置きは定番の雪洞です。
桃の花と菜の花を壺に入れ、三色の菱餅を飾って、ちょっとしたお祝いです。
◆第238回 「稽古始め」 2021.01.27
[主菓子]うすらひ(亀広良)/[干菓子]丑・鶴・亀(両口屋是清) /[花]若松
今年最初の和楽会は、お正月飾りのまま、聞香と濃茶で稽古始めです。
主菓子は、久しぶりに名古屋亀末廣名残りの「うすらひ」をいただきました。美味、美味。
コロナ禍のまま新年を迎えましたが、今年も「日々是好日」の心がけを忘れずに…。
◆第237回 「歳暮の茶」 2020.12.23
[主菓子]雪輪(両口屋是清)/[干菓子]菜種の里・雪輪・銀杏 /[花]西王母・寒菊
今年最後の和楽会は、定番の一行物「無事是貴人」を掛け、コロナ禍の一年を振り返りました。
三英堂「菜種の里」は同じく不昧公好みの「山川」同様、しっとりとした味わいです。
亀甲竹の掛花入には西王母と嵯峨菊の照り葉が入り、道具組は長板総飾りの趣向でした。
◆第236回 「開炉」 2020.11.25
[主菓子]柚子の里(亀屋芳広)/[干菓子]無有・銀杏 /[花]西王母・嵯峨菊
開炉に合わせて、喜寿表彰のお祝いを兼ねた和楽会。寄付きの掛物は扇面の「閑古錐」。
本席は「喜」に歌と寿老人の画賛、記念品の青漆六角香合は「緑毛の亀」を想起させます。
茶杓は五つ節の「不老」(共筒箱)。掛花入は尺八寸の神代杉。長板総飾りの趣向です。
◆第235回 「名残」 2020.10.28
[主菓子]乱菊(亀屋芳広)/[干菓子]栗・菊・雁 /[花]高野箒・杜鵑草・秋明菊他
風炉は名残りの時季となり「中置」です。丸畳も11月になると炉畳へ入れ替えです。
掛物は5羽の雀に稲穂の画。
掛花入れには、高野箒・杜鵑草・秋明菊・藤袴・宮城野萩です。
◆第234回 「名月の頃」 2020.09.23
[主菓子]初秋(美濃忠)/[干菓子]月・芋・葉(亀廣保)/[花]薄・ノカンゾウ・萩
「仲秋」の八月十五日(今年は10月1日)は中秋の名月(芋名月)を愛でる日です。
床に、李白の「哭晁卿衡」<晁卿衡(ちょうけいこう)を哭(こく)す>の書を掛けて
ちょうど真ん中にある文字「明月」(名月)を一足先に拝見しました。
◆第233回 「銷夏」 2020.08.26
[主菓子]したたり(亀廣永)/[干菓子]鮎・水・葦 /[花]朝顔
「処暑」は過ぎましたが、名古屋は13日連続の猛暑日を記録しています。暑いです…。
床には深山幽谷の瀑布の掛物を、墨蹟窓には名残りの朝顔を蝉籠に入れて掛けました。
主菓子の「したたり」は黒蜜が入った琥珀羹の趣で「消夏」を感じ味わう一品となっています。
◆第232回 「祇園祭の頃」 2020.07.22
[主菓子]花火(亀屋芳広)/[干菓子]朝顔・団扇(八坂神社紋) /[花]ヒオウギ
今年の京都・祇園祭山鉾巡行はコロナウィルスの影響で中止となりましたが神事は例年通りとか。
床の掛物は神輿洗いの画賛。花は賀茂川籠にヒオウギとイトススキを入れ、墨蹟窓に掛けました。
小棚は桑小卓、天板に載っているのは染付の「油滴」です。
◆第231回 「アマビエの梅雨」 2020.06.24
[主菓子]アマビエ(亀屋芳広)/[干菓子]糸巻・葦・水 /[花]半夏生
疫病退散の願いを込めて主菓子は「アマビエ」で遊びました。(生菓子です!)
床の掛物は「晴好雨奇」(はれ(まさに)よし、あめも(また)きなり)。
花入の有馬籠には半夏生(はんげしょう)が入りました。
◆第230回 「初風炉」 2020.05.27
[主菓子]あやめ(亀屋芳広)/[干菓子]葦・鷺・水 /[花]下野・紫露草・姫檜扇・都忘れ
風炉の季節が巡ってきました。床の掛物は蘇人和尚「動中静」(どうちゅうのじょう)。
花入れは鉄線籠。淡紅色の五弁小花をたくさんつけるシモツケ【下野】が丁度開花です。
「都忘れ」は次々と紫色の花をつけています。
◆第229回 「自粛」 2020.04.22
[主菓子]柏餅 /[干菓子]青楓・苺 /[花]エビネ
表流では4月に釣釜をかけることが多いようで、旅箪笥もよく用いられます。
掛物は「花がさいた こころのなかに花がさいた」です。
エビネの花もちゃんと間にあってくれました。
◆第228回 「利休忌」 2020.03.25
[主菓子]醍醐の里(両口屋是清)/[干菓子]蝶・桜(甘春堂)/[花]菜の花
利休が亡くなったのは旧暦の天正十九年(1591)二月二十八日。
三千家では、月遅れの3月27・28日に利休忌が営まれているようです。
和楽会でも床に利休座像を掛け、供茶を捧げました。
◆第227回 「雛近し」 2020.02.26
[主菓子]誰が袖(両口屋是清)/[干菓子]葉・土筆/[花]蠟梅・初嵐
雛祭りが近づいてきました。小棚は好文棚、水指は左馬の菱形、床の雛飾りは陶製です。
掛物は寿老人の画賛「福ろく寿ながきかしらをのんどりと春の日かげにくらべぞ見る」。
◆第226回 「稽古始め」 2020.01.22
[主菓子]梅香る(鶴屋吉信)/[干菓子]松・有平糖(子)/[花]松
長板総飾りで濃茶と薄茶を楽しみました。床飾りはぶりぶり香合。
今年もまた、気持ちも新たに「日々是好日」が始まりました。
◆第225回 「歳暮の茶」 2019.12.25
[主菓子]クリスマス(川口屋)/[干菓子]霜柱・他/[花]山茶花・照り葉(白山吹)
名古屋「川口屋」のクリスマスに因んだ和菓子五種が並びました。
「夢の使者」(道明寺)「福音」(小豆)「聖鈴」(草餅)「聖夜」(きんとん)「集い」(蕎麦薯蕷)
床の掛物は蘇人筆「無事是貴人」。(定番です!)
◆第224回 「開炉」 2019.11.27
[主菓子]しぐれ錦(鶴屋吉信)/[干菓子]吹き寄せ/[花]西王母・照り葉(満天星)
11月は「炉開き」の時季。丸畳から炉畳へと畳を取り替え、五徳を据えて炉灰を整えます。
気持ちも新たに「長板総飾り」です。掛物は「関 南北東西活路通」(昌道)。
関は、ピシャリと門を閉ざして一歩も通さぬという勢い。
南北東西活路通は、四方八方どこへでも道が通じているという伸びやかな境涯。
と『茶席の禅語大辞典』には記してあります。私的には、「ムムム……」です。
◆第223回 「名残りの風炉」 2019.10.23
[主菓子]しだれ菊(両口屋是清)/[干菓子]里芋・葉・栗/[花]秋の花
花はキイジョウロウホトトギス、ホトトギス、ツワブキ、コウヤボウキ、フジバカマの五種。
『古今和歌集』巻四-245の歌はよみ人しらずで、
みどりなるひとつ草とぞ春は見し 秋はいろいろの花にぞありける
9月に竹台子で風炉一つ置き(如心斎好み)にした関係で、今月は運び点前となりました。
◆第222回 「夏の名残り」 2019.09.25
[主菓子]雛菊(両口屋是清)/[干菓子]団扇・葦・鷺/[花]萩・狸豆・水引
「暑さ寒さも彼岸まで」の言い伝え通り、朝夕は涼しくなり日中もほどほどの気温です。
「明月」を眺めて阿倍仲麻呂を偲ぶ李白の詩が二行七文字の定型で床に掛かりました。
◆第221回 「銷夏(しょうか)」 2019.08.28
[主菓子]秋津(両口屋是清)/[干菓子]団扇・鮎・水/[花]朝顔
あきつ【秋津・蜻蛉】はトンボの古名。かるかんの表面にトンボの焼き印がありました。
床の掛物「観瀑図」はかっての中国旅行の記念品。ギヤマンの平水指に割蓋の趣向です。
◆第220回 「祇園祭の頃」 2019.07.24
[主菓子]夏衣(川口屋)/[干菓子]祇園祭(竿灯・団扇)/[花]ヒオウギ
今月の和楽会は、京都・祇園祭後祭の日と重なりました。干菓子の団扇は八坂神社の紋。
掛物の画賛は御神輿洗いに楽日。掛け花入れは祇園祭の花、邪気を払うヒオウギでした。
◆第219回 「梅雨の頃」 2019.06.26
[主菓子]濡れ燕(両口屋是清)/[干菓子]青楓・氷室(三英堂)/[花]半夏生
主菓子はかるかん製、表面に「雨粒」が数滴見えます。掛物は「清水」(蘇人和尚筆)。
釣舟の花入は下に置いて「泊り舟」の趣向です。(釣れば、出舟・入舟となりますが…)
◆第218回 「初風炉」 2019.05.22
[主菓子]令和(美濃忠)/[干菓子]花菖蒲・柳 /[花]姫ヒオウギ・矢車草・他
風炉の季節を迎えました。掛物は蘇人和尚筆「動中静」(どうちゅうのじょう)。
干菓子は大徳寺・黄梅院を拝観した帰りに松屋藤兵衛で味噌松風と共に買い求めたもの。
◆第217回 「炉の名残」 2019.04.24
[主菓子]花菖蒲(鶴屋吉信)/[干菓子]琥珀市松(鶴屋吉信)/[花]黄エビネ
干菓子のコハクは到来物で絶品でした。吊り釜に旅箪笥の取り合わせは定番でしょうか…。
吊り釜は炉の季節の名残り。畳を入れ替え、気持ちを入れ替え、風炉の季節へと移ります。
◆第216回 「利休忌」 2019.03.27
[主菓子]花吹雪(両口屋是清)/[干菓子]貝寄せ・波紋/[花]菜の花
主菓子はこなし製でお洒落なデザインです。水の形には波紋・流水・飛沫の三通りあるとか…。
菜の花が利休忌に合わせたかのように咲いてくれました。
◆第215回 「春近し」 2019.02.27
[主菓子]窓の梅(両口屋是清)/[干菓子]鶯・梅/[花]柳・松・桃・霞草
床の掛物は寿老人画賛「福ろく寿ながきかしらをのんどりと春の日かげにくらべぞ見る」
置き物は上賀茂神社の「葵の御鈴」、お棚は好文棚でした。
◆第214回 「稽古始め」 2019.01.23
[主菓子]下萌え(両口屋是清)/[干菓子]梅・笹/[花]柳・松・西王母
床の掛物は「春入千林處々鶯」(明道筆)。重ね羽子板でちょっぴり新春気分も…。
主菓子はかるかん風。また新たな一年が始まりました…。
◆第213回 「歳暮の茶」 2018.12.26
[主菓子]和菓子でXmas(両口屋是清)/[干菓子]黒糖・他/[花]紅白侘助・小手鞠照葉
床の掛物は定番の「無事是貴人」(蘇人筆)。黒糖はいただきもので沖縄の波照間島産。
黒糖は口に入れると日本最南端の潮風を感じます。「和菓子でXmas」は両口屋ならではの品。
◆第212回 「開炉」 2018.11.28
[主菓子]亥の子餅(花桔梗)/[干菓子]吹き寄せ/[花]紅葉・西王母・炉開き
今年もまた炉開きを無事に迎えることができました。『日日是好日』を思いだします…。
掛物は「関 南北東西活路通」(昌道)です。
◆第211回 「名残(なごり)」 2018.10.31
[主菓子]栃羊かん(平井菓舗)/[干菓子]琥珀・紅葉/[花]高野帚・藤袴・石蕗
栃羊羹は京都・美山からの到来物で栃の実入り。コウヤボウキは毎年この時季に花を咲かせます。
10月も今日で終わりという日の和楽会、そろそろと炉畳に入れ替えです…。
◆第210回 「月見の頃」 2018.09.26
[主菓子]京鹿の子(両口屋是清)/[干菓子]月、雁来紅、里芋/[花]薄、萩
床の掛物は中国・西安へ旅行した時の記念品で、阿倍仲麻呂を偲ぶ李白の七言絶句です。
二行七文字の定型となっていますが、二行目真中あたりに(明月)の文字が見えます。
晁卿衡(ちょうけいこう)を哭(こく)す 李白
日本晁卿辞帝都
征帆一片繞蓬壺
明月不帰沈碧海
白雲愁色満蒼梧
※晁衡は阿倍仲麻呂の中国での名前とか…。
◆第209回 「仙遊之式」 2018.08.22
[主菓子]浜土産(はまづと)(亀屋則克)/[干菓子]金魚・水/[花]廻り花
・廻り花の飾り残しは、矢筈薄、クルクマ、トルコ桔梗。
・炷いた香木は[羅国]と[真那蛮]の二つ。
・濃茶は小山園の「雲鶴」、薄茶は柳桜園の「珠の白」。
★
玄関:「瀧」短冊画
寄付:「須磨」色紙画賛
香合:「蜑(あま)小舟」
本席:「清水」横掛物
茶入:銘「浦島」
茶杓:銘「もやい綱」
仕服:「伊予簾錦」
薄器:金輪寺「鵜飼に撫子」
★
いただき物の茶入に「浦島」の銘を付けて「水」をテーマに道具を組んでみました。
杣(そま)に遊ぶ人と云っても、矢張り命の源は「水」かと…。
◆第208回 「祇園祭の頃」 2018.07.25
[主菓子]夕かほ(両口屋是清)/[干菓子]糸巻・撫子・蘭奢待/[花]金水引・檜扇・槿
梶の葉と干菓子の糸巻でちょっぴり七夕気分。掛物は祇園祭行事「神輿洗い」の画賛です。
◆第207回 「梅雨の頃」 2018.06.27
[主菓子]蛇の目(両口屋是清)/[干菓子]蛙・雨滴・傘・水/[花]半夏生
「蛇の目」は名古屋三越限定販売の上生菓子です。床の半夏生が入れてある籠は「鉄線籠」。
◆第206回 「初風炉」 2018.05.23
[主菓子]新樹(両口屋是清)/[干菓子]青楓・水/[花]紫露草・シモツケ
初風炉。初夏の爽やかな風が席を吹き抜けていくイメージです。「露衣風心」の境地?
◆第205回 「炉の名残」 2018.04.25
[主菓子]かぶと(花桔梗)/[干菓子]小蝶・兜・鯉幟/[花]黄エビネ
炉も今日でお仕舞い。表千家流では4月が吊り釜で、旅箪笥は定番の取り合わせのようです。
◆第204回 「利休忌」 2018.03.28
[主菓子]弥生巻(両口屋是清)/[干菓子]蕨・土筆・水/[花]菜の花
利休の月命日に重なりました。両口屋さんの「弥生巻」は50gの生菓子です。
◆第203回 「雛祭る頃」 2018.02.28
[主菓子]巻紅梅(両口屋是清)/[干菓子]ひな飾り/[花]蠟梅、椿
今日の抹茶(濃茶用)は丸久・小山園の「天授」。銘柄そのままのマッタリ感でもう絶品です。
◆第202回 「稽古初め」 2018.01.24
[主菓子]手鞠(両口屋是清)/[干菓子]麩焼・州浜/[花]若松
今年の稽古始めです。気持ちも新たに、また茶の湯文化と触れあう一年にしたいと思っています。
◆第201回 「歳暮の茶」 2017.12.27
[主菓子]寒椿(花桔梗)/[干菓子]雪だるま・都鳥(奈良屋)/[花]西王母
初雪があり、草木には雪がつもりました。岐阜・奈良屋の干菓子はメレンゲです。
◆第200回 「炉開き・200回記念」 2017.11.22
[主菓子]亥の子餅(たねや)/[干菓子]吹き寄せ/[花]椿(侘助・炉開き)、紅葉
200回を記念して眠っていた真台子を取りだしました。火を入れ、心新たに炉開きです。
◆第199回 「名残の秋」 2017.10.25
[主菓子]唐錦(両口屋是清)/[干菓子]薄紅葉、麩焼煎餅/[花]コウヤボウキ、ホトトギス
唐錦はこなしで赤の発色が鮮やかです。麩焼煎餅の銘は「おむろ」、焼印の菊は十六弁…。
◆第198回 「月見の頃」 2017.09.27
[主菓子]栗きんとん(すや)/[干菓子]月兎、菊/[花]尾花、萩
中秋の名月は10月4日ですが、ひと足早く月見の気分で…。(栗名月の時でも良かった?)
◆第197回 「銷夏」 2017.08.23
[主菓子]浜土産(亀屋則克)/[干菓子]青楓、瓢、流水/[花]朝顔
京都・亀屋則克の琥珀糖「浜土産」は夏定番のお菓子。大徳寺納豆が甘さに深みをもたらしています。
◆第196回 「祇園祭の頃」 2017.07.26
[主菓子]夕かほ(両口屋是清)/[干菓子]撫子、団扇/[花]金水引
京都・祇園祭には数回出かけましたが、最近はBS8のライブ中継を観る事にしています。
◆第195回 「ホタル飛ぶ」 2017.06.28
[主菓子]夕顔(両口屋是清)/[干菓子]葦、鷺/[花]半夏生
梅雨明けが待たれます。寄付には「蛍」の色紙。主菓子「夕顔」は三越限定販売?の品。
◆第194回 「初風炉」 2017.05.24
[主菓子]落し文(鶴屋吉信)/[干菓子]藤、水/[花]ムラサキツユクサ
風薫る5月は、気分も新たに初風炉です。溜塗りの釣瓶の水指を合せました。
◆第193回 「炉の名残り」 2017.04.26
[主菓子]きんとん(鶴屋吉信)/[干菓子]蝶、桜/[花]エビネ
表千家流では、四月に釣釜を掛けることが多いようです。旅箪笥は定番の取り合わせでしょうか。
◆第192回 「利休忌の頃」 2017.03.22
[主菓子]野の花(美濃忠)/[干菓子]鳥、土筆/[花]菜の花
三つ具足に「供茶」を捧げます。小棚は溜塗りの四方棚です。
◆第191回 「雛祭る頃」 2017.02.22
[主菓子]桃李(鶴屋吉信)/[干菓子]梅、おいり/[花]桃、菜の花
立雛の掛物に好文棚、左馬の水指の取り合わせです。桃と李は陰陽五行では西と東でしょうか。
◆第190回 「稽古始め」 2017.01.25
[主菓子]福の春(鶴屋吉信)/[干菓子]一富士二鷹三茄子/[花]若松
端紅及台子に朱手桶、青磁の杓立、建水、蓋置を取り合わせた初釜です。掛物は寿老人画賛。