(2017.07.24記)

梅雨明けはしたものの、戻り梅雨のような空模様、所によっては記録的な集中豪雨に見舞われています。
本当にお天気は空任せ、およそ人知の及ぶところではありませんが、微妙なバランスの上に成り立っている地球の環境が、少しづつ変化しているような気がします。

カンカン照りの暑い夏の日、入道雲がモクモクと湧き立ち、午後から夕方にかけてゴロゴロと雷鳴がとどろき、一陣の風と共にザーと一雨通り過ぎ、息絶え絶えの植物も生気を取り戻し、その後の涼風に人も一息つくような、昔よく体感した夏の風物詩はどこへ行ってしまったのでしょうか。

夕立をモチーフにして遊ぶ組香に「夕立香」(大外組)があります。

◆香は四種
日として 三包で内一包試
雲として 同断
雷として 四包で内一包試
雨として 三包で無試

◆聞き方と記録紙
日、雲、雷の試みを聞いた後、
①先ず、日、雲の計四包を打ち交ぜて、内から二包だけ取りだして聞きます。
日・日なら 清明
雲・雲なら 雲峰
日・雲なら 曇影
雲・日なら 虹色 と記録紙の聞きの所に書きます。

②次に、雷三包、雨三包の六包を打ち交ぜ、内から二包除き、四包を聞きます。
雷が三つ出れば 霹靂(へきれき)
雨が三つ出れば 暴雨
雷雨等分に出れば 涼風 と記録紙の点数の上(中段)に書きます。

全当りの人には歌が点の所に書かれます。
・日数ふり五月雨よりも夕立のたた時の間に増る川水

無当りの人には次の歌が点の所に書かれます。
・此の里にふらぬもすこし浮雲の山の端つとふ夕立の空

◆メモ
霹靂(へきれき)=かみなり。雷鳴 →[晴天の霹靂]

【余談】
夕立は白雨(はくう)とも…。

雷神

「三十三間堂」のパンフレットより雷神