(2018.07.17記)

猛烈な暑さが続いていて、名古屋は今日も最高気温38℃の猛暑日。
BS8でオンエアされた京都・祇園祭の生中継を見ましたが、四条通りの両側は人・人・人で埋まっていましたね。(暑い!)
そうそう、放送席前の簾には祇園祭の花・ヒオウギがちゃんとありました…。

この暑さでは、エアコンなしで「香」を聞くことなど凡人にはできそうもありませんが、言葉の上でなら自由に遊ぶことができそうです。
納涼気分を楽しむ組香としては「納涼香」がありますが、他にも以下のような「新納涼香」(大外組)があります。

◆香は五種
涼風として 三包で内一包試
清泉として 同断
木陰として 同断
夕蝉として 同断
客 として 一包で無試

◆聞き方と記録紙
各試みを終えた後、
①涼風、清泉、木陰、夕蝉の各一包づつ四包を一結びにしたものを二組作り、うち一組を打ち交ぜて炷き出します。
②次に、もう一組を打ち交ぜ、その中から一包を取り、これに客を加えた計二包を炷き出します。

②の二包の出方によって、記録紙の聞きの中段に詩が書かれます。
涼風と客は 薫風自南来  (※1)
清泉と客は 池冷水無三伏夏(※2)
木陰と客は 松高風有一聲秋(※3)
夕蝉と客は 風樹鳴蝉咽  (※4)

また、記録紙の奥には歌が書かれます。
涼風に客は 秋きぬと目にはさやかにみえねども 風の音にぞおどろかれぬる(※5)
清泉に客は せきいれて結ぶ泉のすずしさは 秋をもこゆる水のしら波   (※6)
木陰に客は 松かげの岩井の水を結びあげて 夏なきとしとおもひけるかな (※7)
夕蝉に客は 啼く蝉の声もひとつにひびききて 松かげすずし山の瀧つ瀬  (※8)

全当りの人は納涼、無当の人は炎暑と書かれます。

◆出典メモ
(※1)薫風自南来殿閣生微涼
(※2)和漢朗詠集164
(※3)和漢朗詠集164
(※4)
(※5)藤原敏行/古今和歌集169
(※6)頓阿
(※7)恵慶法師/拾遺和歌集131
(※8)頓阿/草庵集

[余談]
炎暑という言葉を久しぶりに聞きました!