(2018.12.20記)

明後日は冬至。

二十四節気の一つで、太陽の南中高度が最も低く、昼間が最も短い日となります。
この日には、柚子湯に浸かり、冬至南瓜や善哉を食べて、無病息災を願うのが習いになっているようです。

香道では、冬至を念頭に置いた組香「一陽香」あたりが行なわれるようですが、他にも答え方に特徴がある「替一陽香」、更に大外組にはその名の通りの「冬至香」があります。

「一陽香」は昨年も取り上げた記憶がありますので、大外組の「冬至香」別式を記してみたいと思います。

冬至を境として昼間が長くなる(陰がきわまって陽がかえる)ことから、一陽来復は旧暦十一月、または冬至の称となっています。
(実は、旧暦では二十四節気の冬至を含む月を旧暦十一月として、以降の月が決められているそうです。)

【冬至香】

◆香は四種
| として 二包で無試
|二として 三包で内一包試
|三として 同断
|四として 同断

◆聞き方
試みを聞き終えた後、
出香八包(一、二、三、四各二包ずつ)打ち交ぜて炷き出します。

◆記録
全当りには、聞きの中段に[地雷復]のを書いて一陽来復と書きます。
一が二つとも当りなら、聞きの中段に[地雷復]のを書きます。
一が一つだけ当りなら、聞きの中段に一陽と書きます。

点数の処には、全当りは全、その他は点数です。
本香の処には、一、二、三、四で記します。

◆メモ
・とにかく、一を聞き当てることが大切のようです。

・地雷復の卦は、あまり?馴染みがないかもしれません。
八卦を上下二段に重ねると、8×8=64通りの組合せが生じ、六十四卦が得られます。
そして、この中から都合の良い十二個を選んで一年十二ヶ月をあらわしています。

地雷復は、八卦の☷(地)の下に☳(雷)を置いたような二段構造の形の卦になっていて、名称は地雷復・ちらいふく)となっています。
の形ですが、(陽)がひとつ現れる(復する)ので一陽、一陽来復となり、冬至、旧暦十一月にピッタリというわけです。(因みに、– –は陰)

旧暦十一月から、六十四卦で一年をあらわしてみます。(二段構造ですので、上/下の形であらわすことにします)

(旧暦十一月~旧暦四月)

(旧暦五月~旧暦十月)

陽があらわれ(旧暦十一月)、陽が増す(旧暦四月が最も陽)、陰があらわれ(旧暦五月)、陰が増す(旧暦十月が最も陰)ような形となっていて、見れば見るほど、良くできた卦となっています。素晴らしい!

◆余談
個人的には、香種の一に、一陽来復の一をそのまま用いているところが面白いと思っています。