(2017.07.12記)
古代中国の楽器分類法に、発音体の材料によって8種に分ける八音(はちいん/はっちん)と呼ばれる方法があるそうです。
金(鐘(かね)の類)、石(磬(けい))、糸(琴の類)、竹(笛の類)、匏(ほう)(笙(しょう)の類)、土(壎(けん))、革(鼓の類)、木(拍板の類)の8種です。
この八音をモチーフにして遊ぶ組香に「八音香」(大外組)があります。
◆香は八種
金として 二包で内一包試
石として 同断
糸として 同断
竹として 同断
匏として 同断
土として 同断
革として 同断
木として 同断
◆聞き方
金~木の試みを聞いた後、
出香八包(金~木)を打ち交ぜて聞きます。
◆記録紙
全当りの人には、点数の所に八音和と書きます。其の外は点数として、二点なら二音、五点なら五音というように書きます。
また、札銘のところには調子の名を書いて、名乗り(自分の名)はその傍らに書きます。
そして、その調子の名は、日本の「十二律」となっています。
◆メモ
日本の「十二律」と音階について調べてみました…。
<日本の十二律>
壱越(いちこつ)
断金(たんぎん)
平調(ひょうじょう)
勝絶(しょうせつ)
下無(しもむ)
双調(そうじょう)
鳧鐘(ふしょう)
黄鐘(おうしき)
鸞鏡(らんけい)
盤渉(ばんしき)
神仙(しんせん)
上無(かみむ)
<徳川美術館所蔵の十二律管>
徳川美術館のロビーの隅に、所蔵名品をタッチパネル方式で見る事ができるディスプレイが置いてあります。
訪れた時には、いろいろタッチして遊んでいますが、「奥道具>楽器」の中に竹筒が12本並んだ「十二律管」があります。
十二律は、中国・日本などの音楽で、半音ずつ隔てる12音を以て1オクターブの音列を形成する音律のことで、その基音を日本の雅楽では壱越(いちこつ)、中国では黄鐘(こうしょう)といい、長さ九寸の律管が発する音とされたのだそうです。
壱越(いちこつ) …D(レ)
断金(たんぎん) …D♯
平調(ひょうじょう)…E(ミ)
勝絶(しょうせつ) …F(ファ)
下無(しもむ) …F♯
双調(そうじょう) …G(ソ)
鳧鐘(ふしょう) …G♯
黄鐘(おうしき) …A(ラ)
鸞鏡(らんけい) …A♯
盤渉(ばんしき) …B(シ)
神仙(しんせん) …B♯
上無(かみむ) …C(ド)
基音の<壱越>は長さ九寸とあるので、一寸=3.03cm、管口補正は考えないで、ざっと計算してみると基本音の振動数は約312Hzとなります。また、1オクターブ高い<壱越>は振動数2倍の624Hz ということになります。
音階の基準音として使用されるA(ラ)の音は、440Hz(NHKの最初の時報音)とされていますが、邦楽ではこの基準音が430Hz と少し低くされているそうです。
先程の長さ9寸の律管の基本振動数を312Hzとして、等比数列で計算するとA(ラ)の音は467Hz程になってしまいます。
合いません…。
管の長さ9寸とありますが、昔と今では寸の基準が違うかもしれません。また、一寸=3.03cmとしましたが、これも昔と今では違うのかもしれません。管の内径も管口補正に影響し、振動数に関わってきます。計算間違いもあるかもしれません…。
そもそも、昔の音と振動数を単純に比較して云々するところに無理があるのかもしれません。(弁解多々!)
ともあれ、いろいろ考えてみましたが、見当違いの事をあれこれ弄んでいる感が拭えません。
なんだか、藪の中に入り込んだ気がしています…。
【追記】2017年7月15日
徳川美術館所蔵の十二律管のデータを教えていただきました。
壱越 長さ:6寸5分/口径:3分2厘
上無 長さ:4寸3分/口径:3分
ということは、……。(益々、藪入り!)