詩歌をちこち2

4月も半ば、桜もそろそろと葉桜へ、新緑が一段と映える時季となりました。

ひょんなきっかけから、組香に引かれている和歌と漢詩を調べ始め、和歌が一段落したのに続いて漢詩の出処を調べ始めています。
全くの門外漢なのですが、『和漢朗詠集』を調べてみますと、大方は出処を知ることができます。
しかし、全てが『和漢朗詠集』に載っているわけではなく、そんな時はネットで検索するのですが、矢張り手掛かりがない詩句もあります。
まぁ、当たりを付けて、気長に調べようと思っています。

和歌は『新編国歌大観』を頼りに調べましたが、所謂「八代集」から引かれている歌が矢張り多かったように思います。
勿論、全てが載っているわけではなく、「組香」で良く知られている歌でも、「山海香」や「菖蒲香」のように、歌集にはなく物語中にあるような歌もありました。
また、「五月雨香」の証歌となっている「村雨に時雨はる雨夕立の景色を空にまかふ五月雨」の出処が解らなかったことは、良く知られている歌だけにちょっとした衝撃でした。(^O^)

和歌が引かれている「組香」の数は調べた範囲内ではとりあえず計91組。(和歌集序文からの引用は除いて)
ブログには【宇治山香】からアップを始めていますが、まだまだ先は長いようです。

ツルニチニチソウ(蔓日日草)が咲いています。

詩歌をちこち 【山路香】

|『拾遺和歌集』巻第二 夏 106
| 北宮のもぎの屏風に   源公忠朝臣
行きやらで山ぢくらしつほととぎす 今ひとこゑのきかまほしさに

〔大意〕そのまま先に行くことができないで、山道で日を暮らしてしまった。時鳥のもう一声が聞きたいばかりに。

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)

※源公忠(みなもとのきんただ)