香道一口メモ・13/上弦の月

夕方6時前、上空は風が強いのでしょうか、箒で掃いたような雲が並んでいて、空気は肌寒さを覚える程でした。
南の空に目を転ずると、右半分が鮮やかに輝いている半月が出ていました。
上弦の月…。

上弦の月*iphoneのカメラで!

上弦の月と聞いて、真っ先に頭に浮かぶのは吉田拓郎の「旅の宿」のワンフレーズ。
確かに、ひとつの時代を画した歌でした。

月をテーマにした組香の一つに「月見香」があります。。
様々な月を記録紙上に見る事ができるので、中秋の名月を10月4日に控えたこの時季にピッタリの組香かもしれません。
名目は、十五夜、待宵、十六夜、水上月、木間月、残月、夕月夜、雨夜となっています。

香道一口メモ・13【沈水香⑥】

海外貿易の制限された江戸時代には輸入量の減少に反して需要はふえ、きわめて貴重な品となった。高価なことは今日でも同様であるが、一時は金にまさるとも劣らぬほどであったと言い伝えられている。すべてがその影響でもないが、香道界に、沈水香の使用に馬尾蚊脚(ばびぶんきゃく)の語が用いられるようになり、今日にいたっている。

馬尾蚊脚(ばびぶんきゃく)は、馬尾蚊足(ばびぶんそく)とも云われているように思いますが、名香は馬の尻尾ほどの細さ、蚊の足ほどの長さでも十分に香りが立つので、香木を必要以上に大きく切ったりして無駄にする事が無いように、大切に使いなさいという戒めのように捉えています。