松風の家

先日の「男雛・女雛と左・右」のblog記事で、「帝は北に座して南面する」として、左・右の上位・下位について記しました。

お茶の世界でも、「帝は北に座して南面する」という考えを茶室に当てはめることができるようで、裏千家の四畳半茶室「又隠(ゆういん)」は北に床(貴人畳)、南ににじり口を設けており、更に東・南に明かりをとり、お点前は北に向かって行なうという、11代玄々斎によれば、まさに陰陽五行をかたどった茶室となっているようです。(因みに、初座は陰、後座は陽)

※(五行説では、木・火・土・金・水はそれぞれ東・南・中央・西・北に配されています)

とは言え、実際はどうなのでしょうか。

床が北側にあってお点前を北に向かってするような茶室あるいは茶席ばかりとは限らないようで、茶道関係の冊子をパラパラと見ただけでも、実に様々です。

ところで「八卦盆」。

裏千家では「行の行台子」伝法で用いられる盆になっているようです。

この盆は、☵坎(かん)の卦を向う側に、☲離(り)の卦を手前側にして、行台子(竹台子)の天板に載せれば、たちどころに北に向かってお点前をすることになるという、まるで魔法使いのお盆のようです。
これは、☵坎の卦が☲離の卦がをかたどっているからです。

また、火を入れる灰の表面に三本の線を描くのは、☵坎の卦がを象どっているからであることはよく知られています。
これは、裏千家茶道では下火の際に、また香道では炭団をとった後の火取香炉で描かれるようです。

因みに、八卦は以下の通りです。(後天八卦)

乾(ケン)…西北
兌(ダ) …沢、西
離(リ) …
震(シン)…雷、東
巽(ソン)…風、東南
坎(カン)…
艮(ゴン)…山、東北
坤(コン)…、西南

覚えておくと、何かと便利な八卦です。
そういえば、組香には「八卦香」、聞香炉には八卦香炉がありました。

さて、「松風の家」のことです。

宮尾登美子の『松風の家』は、同氏の一連の作品とともに一時期まとめて読んだ覚えがあります。

この作品は、明治期の裏千家がモデルになっていると言われていますが、具体的に登場人物が誰を指しているかは知りませんでした。

ところがです。

一昨日の新聞に載っていた週刊誌『女性自身』の広告見出しが、菊地明史の独占告白となっていて、裏千家当代家元の長男の記事であることが解りました。

ネットで検索したところ、同氏のblogがありました。
そこには、2015年に改姓した経緯や、「松風の家」のモデルが具体的に記されていて、とても驚きました。

なんだか俗っぽい話になってしまいました…。