土用丑の日

今日は土用丑の日。
例年、この日だけは習いに従って鰻の蒲焼をいただくことにしています。(^O^)

※鰻丼です。

ところで、立春、立夏、立秋、立冬の前18日間を土用と呼んでいますが、今年は8月7日の立秋の前18日間に「丑」の日は二回入っています。
では、鰻の蒲焼も二回?
街中のお店のポスターは堂々と両日(7/20・8/1)を明記して、両日とも?お客を呼び込もうとしていますが、勿論早い方の日付で食するのが我家の習いとなっています。

土用といえば、直ぐに五行説の木・火・土・金・水を連想してしまいます。(悪い癖です、ハイ!)
一年365日を五つに等分した夫々73日を、木・火・土・金・水に対応する春・夏・土用・秋・冬に夫々割り振った上で、その土用73日を四等分した概ね18日を各季節の最後に付け加えたものが所謂「土用」と呼ばれているもので、今日から立秋(8/7)前日までの18日間は夏の土用ということになります。(ここはざっくりと!!)
一方、十二支は12あるわけですから、うまくはまれば土用の間(18日間)に丑の日は二回あることになります、ハイ。

そもそも、丑の日にどうして鰻?
梅干しでも、うどんでも良いのでは?

諸説ありそうですが、エレキテルの平賀源内先生が相談に来た鰻屋の主人に、土用丑の日には「う」の付く物を食べると良いという売り出しのアドバイスをして、お店に貼り紙をしたところ鰻屋は大繁盛したと云う話が、個人的には一番面白いと思っています。

名古屋では、鰻の「ひつまぶし」がこの時期の一番の?御馳走になっています。
懐石料理の対極にあると言っても過言ではない料理ですが、個人的にはどちらも大好きです。(^O^)

さてさて、香の序破急はその後どうなったのでしょうか。

神保博行氏は『香道歴史事典』に「風盆と序破急の事」との見出しで、蜂谷宗悟が著したと云われる『香道軌範』の中から香の序破急について触れていますが、具体的に意味する所は今後の研究を待つとも記されています。
書き出しは「風盆の受け取り渡しの仕様は、まず座敷に…」の如くです。

ところが、慶長八年の池三位丸の『香之書』(西山松之助・校注)の上記該当部分の書き出しは「ほうぼんのうけとりわたしの事。まず座しきに…」となっていて、更に同書には『香道軌範』に見られるような香炉に香を置く図がいくつか載せてあります。

ふうぼん(風盆)、はうぼん・ほうぼん(方盆)は同じ物を指していると思われますが、書写を繰り返すうちに書き間違いや勘違い、更には余分な加筆なども十分考えられるところであります。

ほうぼん(方盆)は現在でも使用されているので良く分かりますが、仮にそれを風盆と呼んでもなんの支障も生じないこともまた確かです。

『香之書』には「香の姿の事」として、最初の香は序・破・急と香炉の内に下図の如くたき出すとあります。

※志よ(じょ)、者(は)、きウ(きゅう)です。

上図の焚き方から、いろいろイメージすることは可能ですが、具体的には記されていないので、ここは昔々の慶長時代を想像するしかありませんね。(^O^)

翻って、土用丑の日の鰻かば焼き「ひつまぶし」の食べ方です。
①ご飯の上に、かば焼きをのせ、そのまま食べます。
②ご飯の上に、かば焼きをのせ、その上に薬味(ねぎ・わさび)をのせて食べます。
③ご飯の上に、かば焼きをのせ、お茶づけにして食べます。

ひと櫃で三通り・三つの味を楽しめるのが「ひつまぶし」、鰻で心腹(?)共に満たされる至福の時間となりましょう。

そうです! これは「ひつまぶし」の序破急の食べ方そのものです。

私が夕食で食べたのは、薬味ねぎがたっぷりのっていましたから、さしずめ「破」といったところでしょうか。ははは。

饒舌がすぎました…。
序破急は終わりです。