竹の寒晒し

朝日新聞朝刊に「竹干し」「竹の寒晒し」の写真が載っていました。
ドローンで撮影とありますが、地面に立って見る光景はきっと壮観です。

奈良・高山は茶筅作りで有名なところですが、寒い冬場に原材料の淡竹(はちく)を田んぼで干すのだそうです。
磨いた竹を、傘の骨のように立てかけて、 太陽の紫外線と寒風に晒すと約一ヶ月で白くなるのだそうです。
竹干しは3月末まで続くそうですが、干した竹はしっかり寝かせた後、茶筅に加工されるのだとか…。

奈良・高山茶筅の製造工程などは、「竹茗堂」のHPに詳しく紹介されています。

そういえば、竹茗堂のトップページに、煤竹はありませんか?、煤竹を譲ってほしい旨のコメントが載っていました。
生活様式の変化と共に、萱ぶき屋根が激減し、囲炉裏で屋根裏の竹が煤けることも無くなっていて、煤竹の入手がだんだん困難になっているようです。

表千家流では煤竹の茶筅を使うことが多いように聞いています。
まだまだ、大丈夫のようですが、これから煤竹をどう確保していくのか、一つの課題になっているようです。

竹の寒晒しの光景を一度見てみたいとは思っていますが、寒いとなるとなかなか……です。

香道の心得 ◆如月◆ (2)

 香具の中にまたの名を〝鶯〟と称し、答の記してある出香紙を順序の変らないよう差し止める細い金属製の〝香串〟があります。この謂れを探ってみますと、出雲大社の、年に一度開かれる鶯門を神が通られるとのことから、神に紙をかけたとか、宇佐・熊野・伊勢・住吉の四神の頭字を取り、同じく神に紙をかけて、もじったものといわれたり、また、東福門院が―あかなくにをれるばかりぞ梅のはな香を尋ねてぞうぐひすの啼く―の古歌から名付けられたともいわれています。そのほか一、二の説もありますが、その思い付きにはなかなか興の深いものを覚えます。このように私共は年中〝鶯〟を眼のあたりにしている次第です。