ホトトギスの花

秋の花・ホトトギスが咲いています。
和名ほととぎす【杜鵑草】は、花被に紫色の斑点があるのを鳥のホトトギスの腹の斑紋に見立てての名とか…。
漢名は油点草(ほととぎす)。
お気に入りの花の一つです。

ジョウロウホトトギスも咲いています。

花の内側です。(持ち上げてパチリ!)

詩歌をちこち 【晩夏納涼香】 

|『拾遺和歌集』巻第二 夏 131
| 河原院のいづみのもとにすずり侍りて   恵慶法師

松影のいはゐの水をむすびあげて 夏なきとしと思ひけるかな

〔大意〕松の木陰にある岩井の清水を掬い上げて、あまりの冷たさに、今年は夏のない年と思ったことだ。

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)
※恵慶法師(えぎょうほうし)

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池冷水無三伏夏 松高風有一声秋

|『和漢朗詠集』巻上 夏 164

池冷水無三伏夏  池(いけ)冷(ひや)やかにして水(みづ)に三伏(さんぷく)の夏(なつ)なし
松高風有一声秋  松(まつ)高(たか)うして風(かぜ)に一声(いっせい)の秋(あき)あり    英明(えいめい)

〔現代語訳〕池辺の松かげに立ちよれば、池の水がひんやりとして炎暑を覚えません。松のこずえ高く吹きすぎる風には秋のさわやかなひびきがあります。
(注)三伏=立秋の前後三十日の最も暑い時期。初伏・中伏・末伏の各十日間。

*出典『和漢朗詠集 全訳注』(講談社学術文庫)
※英明(えいめい)=源英明(みなもとのふさあきら)