春姫茶会

今日は(から)二十四節気の一つ「大雪(たいせつ)」。
雪こそ降りませんでしたが、今日の名古屋は曇り日で最高気温7℃の冷たい一日でした。
ダウンコートを着た人やマフラーを首に巻いている人を見て、今日は真冬の寒さであることを実感しました。

名古屋城内は空気が冷たいせいでしょうか、土曜日にしてはちょっと観光客が少ないように感じました。
城内の茶苑では第五回「春姫茶会」が催されていました。

春姫は尾張徳川家初代藩主・徳川義直の正室で、最初に名古屋城本丸御殿に住んだ方だそうです…。

英語の案内がある通り、外国の方にも参加していただけるよう、幅広く門戸を開放して、楽しめる茶会を目指しているようです。
広間席では生田流筝曲三つ音会の琴の演奏会が催され、雅な音が流れていました。

猿面席(薄茶)の席主さんは松尾流・村瀬玄之氏。
クリスマスが近いということで、お菓子はミッドランドスクエアー2Fのカフェ「ビチェリン」のスイーツ「聖夜」でした。

抹茶にスイーツも相性はピッタリで、口の中でトロリと溶けるような美味しいお菓子でした。(右側に見えるのは金平糖3個)

飾られていた黒織部の茶碗にはクルスが目立たぬように刻まれていて、面白い取り合わせになっていました。
花入は常滑の大きな耳付きでしたが、なんだか天使像に見えるような造形になっていて、思わずにっこりでした。
花は蠟梅と寒菊。

他に、又隠(ゆういん)席でも呈茶が行なわれていたようです。
茶苑の紅葉は色鮮やかに染まっていましたが、そろそろと散り始めています。

植込みには、茶の木の花が咲いていました。

詩歌をちこち 【琵琶香】

潯陽江頭夜送客

琵琶行      琵琶行(びわこう)   白居易(はくきょい)

潯陽江頭夜送客  潯陽江頭(じんようこうとう)夜(よる)客(かく)を送(おく)る
楓葉荻花秋瑟瑟  楓葉(ふうよう)荻花(てきか)秋(あき)瑟瑟(しつしつ)たり
以下略(全八十八句)

〔通釈〕潯陽江のほとりで、夜、旅立つ人を見送った。赤い楓(かえで)の葉、白い荻の花、うらわびしい秋である。

*出典『中国名詩選』下(岩波書店)
※白居易(はくきょい)