シモバシラ【霜柱】

昨日は寒波到来により、山陰から北陸にかけての日本海側で記録的な大雪に見舞われたところがあったようです。
名神高速道が一部通行止めになり、一部の国道では車が一時立ち往生し渋滞が発生したようです。
昨日の朝は当地でも庭の植え込みにうっすらと雪が積もっていました。
この冬、初の積雪となりました。

今朝、公園にあるシモバシラ【霜柱】にお目当ての氷の柱ができていました。
冬の朝、枯れた茎の根元に氷の結晶が生長して霜柱のようになることから、この名があるシモバシラです。

シソ科の多年草で、秋には総状花序を出し、白色で小型の花を付ける植物です。
『里山の植物ハンドブック』には、根を経て維管束の毛細管現象によって吸い上げられた地中の水分が凍り、茎を突き破って出てきたもの、とあります。
ちょっと融けかかっているのが残念…。(^^)

「霜柱」と云えば、お菓子の「霜ばしら」を思い出します。
宮城県仙台市の九重本舗 玉澤の名菓です。

西山松之助著作集 第六巻『藝道と伝統』(吉川弘文館)の中に、興味深い記述がありました。
裏千家の「密参箱」についての件で、以下に一部引用します。

「裏千家ではかって皆伝者が密参箱というものを与えられた。この箱は欅でつくられ、厳重な符号錠がいくつも施されそのなかには同流の秘伝書がはいっていた。この秘伝書は、相伝十二段の詳録秘書で、皆伝の人によっていくらか相違があったらしい。この密参箱がいつごろから与えられたものかよくわからないが、又玄斎一燈の署名したものがあるというから、一燈のときには成立していたに違いない。」

現在でも上記のようであるかどうかは知る由もありませんが、「密参箱」の文言を初めて目にしたのは、昨年10月の京都新聞の記事によってでした。以下に一部を引用します。

「茶道裏千家の若宗匠格式奉告献茶式が9日、菩提(ぼだい)寺の大徳寺聚光院(京都市北区)で行われた。次代を担う千宗史若宗匠(30)が、千利休をはじめとする歴代に一碗をささげ、十七代継承の決意を新たにした。
宗史若宗匠は十六代宗室家元の次男。立命館大卒業後、本格的に茶道に携わり、家元名代として、社寺の献茶式などを行ってきた。前日の8日には、今日庵の利休御祖(おんそ)堂で格式宣誓式に臨み、宗室家元から「宗史」の茶名と歴代が受け継ぐ密参箱などを授かった。また、ゆかりの九條道成・明治神宮権宮司から「丹心斎」の斎号を贈られた。」

西山松之助氏の記述によると、密参箱には相伝十二段の秘伝書が入っているとあります。
密参箱? 相伝十二段?

中身については皆目見当がつきません。

十二段の名称を勝手に想像してみました。(^^)

九段であれば[真・行・草]の夫々に[真・行・草]を付ければ数は合います。
例えば、真の真・真の行・真の草といった具合です。

残りの三段は、組み合わせからすると、真の行草、行の草真、草の真行あたりでしょうか?

まったく分かりません!

真・行・草は伝統文化・芸能の分野でよく聞く言葉です。

香道においても、香炉の灰形に真・行・草があるように聞いています。
尤も、普段目にするのは真の灰、そして添え香炉の略灰でしょうか…。(^^)

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※西山松之助(1912~2012)。日本の歴史学者。
『南方録』西山松之助校注(岩波文庫)は、とても勉強になりました。