500年

志野流香道の祖・志野宗信を偲ぶ志野忌は毎年3月18日に宗家で執り行われています。
宗信は室町幕府八代将軍足利義政に仕え、東山文化を担った同朋衆の一人です。
志野宗信の生誕年と没年については諸説あるようですが、「志野流香道系図及び沿革」によると嘉吉三年(1443)に生まれ、大永三年(1523)に没しているようです。
従って、今年は宗信の没後500年忌にあたる年になっています。

節目の年忌にあたり、東京・芝の増上寺において供香式(それも天下無双の蘭奢待の供香式!)が5月28日に執り行われる旨の案内が同寺・宝物展示室のHPに載っていました。

志野流香道松隠会の挨拶文中には、「室町中期に創生された香道は、徳川将軍家歴代がもたらした約260年にわたる戦争のない江戸の時世に成熟期を迎え、江戸後期の大奥では志野流が受容されました。この度、大本山増上寺様にて二ヵ月以上にわたり「香道」という世界にも類稀な香文化を広く発信させて頂く、またとない機会を頂戴しました。会期中は、感染症の終息と心の安らぎを願い、それとともに日本と世界の安寧を祈り、大殿本堂において徳川家康公をはじめとする徳川家将軍歴代への献香式を執り行います。」とあります。

新型コロナは未だ終息せず、東欧ウクライナは戦火に苛まれています。
日本と世界の安寧を切に願うばかりです…。

当初は、志野流香道松隠会の全国大会が併せて予定されていたようですが、伝え聞くところによると、全国大会は秋に延期されたようです。

今日の東京の新規感染者数は4544人、愛知県は1084人と、ここにきて前週の同じ曜日より増加に転じています。
蔓延防止等重点措置が全国一律に解除され、第六波は収束した?ような錯覚に陥っていますが、どうして、どうして!といった感じでしょうか。
まだまだ要注意で、マスク等の感染防止対策は欠かせないようです。

500年の節目と云えば、茶の湯を大成した千家流茶道の祖・千利休は大永二年(1522)の生まれですから、今年(2022)は生誕500年目にあたります。〔没年は天正十九年(1591)〕
TV等では生誕500年にあやかった番組もあるようですが、三千家では記念の催しはしないことが申し合わされています。

茶道の世界では、没後の年忌が重んじられ、記念の催しが盛大に行なわれてきました。
前回は、平成2年(1990)に京都国立博物館で400年忌の「千利休展」が催されています。

三千家蔵を初め、美術館等からも利休に関連する名品が数多出展されていて、見ごたえのある展覧会であったように記憶しています。
次回は18年後の450年忌ですね…。(^^)

そういえば、今日は3月28日、月遅れの利休の命日です。
昨日は表千家、今日は裏千家で、利休忌が営まれているようです。

季節の花々が公園に咲いています。