蘭奢待の香り2
大阪歴史博物館で開催中の特別展「正倉院 THE SHOW」に先日行ってきました。(~8月24日)
6月25日付の当ブログ「蘭奢待の香り」で記したように、読売新聞に蘭奢待の香りを再現するコーナーが設けられるとの記事があったのに引かれて、すっかり行く気になっていた特別展です。
メトロ中央線の谷町四丁目駅を出れば、目の前に大阪歴史博物館の建物がありました。
特別展は6階で開催されています。
※入口
巨大なスクリーンに映し出される高精細なデジタル映像は息をのむ美しさです。
螺鈿紫檀五弦琵琶を始めとする再現模造の品々は、どれも目を見張る美しさで、正倉院1300年の歴史を未来へ繋げていくという思いを強く感じさせるものでした。
同じ素材、同じ技法で造られ、願わくば思いまで同じくして造られたもので、コピーとか、レプリカと呼ぶにはおよそ相応しくない「再現模造」の品々です。
※螺鈿紫檀五弦琵琶(再現模造)
特別展の中で、個人的に特に注目したのは天下の名香「蘭奢待」の香りを再現するというコーナー。
蘭奢待の樹脂製レプリカ(これはまさしく形を模したレプリカ!)が置かれ、壁際に香りを体験できる十数個のガラス容器が置かれていました。
※蘭奢待の香り
高砂香料工業が、蘭奢待から剥落した一片を正倉院から借り受け、加熱して香りの成分を抽出・分析し、同社の調香師によって合成された香りとなっています。
何回もガラス容器蓋を取って香りを味わいました。 (^^)
とてもとても良い香りでした。
想像していたよりも全体的に強い香りで、ちょっとした爽やかな?香りと纏わりつくような?甘い香りが溶け合ったような香り……。(記憶は日々薄れています)
香りの表現は難しいですが……良い香りでした。
是非、この合成香料を市販して欲しいものです! (^^)
YouTube動画によると、杏仁+シナモン+バニラの香りが含まれているようです。
個人的には「シナモンの香り」から連想するほどのシナモンの強い香りは感じなかったような…。
特別展「正倉院 THE SHOW」に関しては、YouTube上に動画がいくつか挙がっています。
TVerにも無料動画があります。
新聞では、中日新聞7月5日付に蘭奢待の香りについて特集が組まれ、7月9日付では蘭奢待の伐採年代(8~9世紀)についての記事がありました。
今年の秋、奈良国立博物館での「正倉院展」には黄熟香(蘭奢待)が展示されます。
黄熟香(蘭奢待)は、2019年東博での即位記念「正倉院展」以来の「おでまし」となります。 (^^)
※黄熟香の絵葉書
さて、どういたしましようか…。 (^^)
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外組37番【異(かわり)三徳香】
香三種
福として 二包に認内一包試
禄として 右同断
寿として 一包に認無試右、試み終りて本香三包打ち交ぜ炷き出す。試みに合せ名乗紙に書き付け出すべし。記録左のごとし。
(記録例 略)
きろく是に順ずべし。