白山吹

名古屋の最高気温は24.3℃と初夏の陽気で、霞がかかる一日でした。
四月も下旬となりGWも間近、先日17日から春の土用に入っていますから、夏はもうすぐそこに来ています。

晩春と初夏を隔てるのは卯の花の咲く垣根、となると浮かんでくるのは【卯花香】です。

◆香は四種
春 として 三包で内一包試
夏 として 同断
垣根として 三包で無試
卯花しして 一包で無試

◆聞き方
試みを終えて、春・夏の四包を打ち交ぜて一包を抜き、残った三包に垣根三包と卯花一包を加えた計七包を打ち交ぜて炷き出します。

◆記録
夏が二包出れば、本香の下に歌一首を書きます。
春が二包でれば、記録の奥に歌一首を書きます。

わが宿のかきねや春をへだつらん 夏来にけりと見ゆる卯の花  (源 順)

春と夏の違いをしっかりと聞き分けたうえで、卯の花の咲く垣根の情景をしっかり楽しむ(聞き分ける)ことが眼目となりそうです。
なお、全当りなら点数の所は「卯花」と記されるようです。(^O^)

シロヤマブキ(白山吹)が満開です。

詩歌をちこち 【望月香】

|『拾遺和歌集』巻第三 秋 170
| 延喜御時月次御屏風に   つらゆき
あふさかの関のし水に影見えて 今やひくらんもち月のこま

〔大意〕満月の影が映る逢坂の関の清水に、姿を見せて、今まさに牽いていることであろう、あの望月の駒を。

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)

※紀貫之(きのつらゆき)

※「望月の駒」