鵜飼香
夏の風物詩「鵜飼」が5月中旬から始まっています。
鵜飼と云えば、矢張り長良川鵜飼でしょうか。
鵜飼をモチーフにして遊ぶ組香に「鵜飼香」(大外組)があります。
◆香は五種
鵜川として 四包で内一包試
篝火として 同断
小舟として 同断
荒鵜として 一包で無試
月 として 一包で無試
◆聞き方
鵜川、篝火、小舟の試みを聞いた後、
①先ず、鵜川、篝火、小舟各一包計三包に、荒鵜一包加えた四包を打ち交ぜたき出します。
②次に、残っている六包(鵜川、篝火、小舟各二包づつ)に月を一包加えた七包を打ち交ぜたき出します。ただし、是より香炉は一つにして、一包ごとに答えを開き、月が出たら終りとします。
この組香の妙味は、まだ鵜匠に十分慣れていない荒鵜を見つけることと、何よりも月が出たらお終いにするところにありそうです。
昔は満月の日には鵜飼をしなかったそうで、現在でも仲秋の名月の日をお休みとしているのは、昔の名残でしょうか。
漆黒の闇に輝く篝火が川面を照らし、反応したアユを鵜が捉えるというシナリオはなんとなく理解できますが、月明かりとアユの習性、そして鵜の習性についてはもう少し調べてみる必要があるように感じています。
何といっても、鵜飼には長い歴史があり、1300年前の『古事記』に「宇加比(ウカヒ)」の文字が見られ、平安時代の源氏物語にも記されている程です。
現在でも、宮内庁式部職の肩書を持つ鵜匠によって、長良川鵜飼や少し上流の小瀬鵜飼が行われていて、全国からやってくる観光客が鵜飼のショーを楽しんでいます。
長良川河畔の「長良川うかいミュージアム」では、ディスプレイに工夫を凝らして、鵜飼の全貌が把握できるような展示・解説がなされています。
同河畔には、鮎料理を供する旅館があり、長良川の悠々たる流れを見ながら、鮎の塩焼きや鮎雑炊を食するのは、間違いなく美味しい時間になりそうです。
あぁ、食べたくなりました。(o^-^o)
(鮎の絵は借りものです)