七夕香
某所で「七夕香」が行われました。
七夕と云えば五節供の一つで、七月七日に技芸の上達を願って行なわれている行事です。
もともとは旧暦七月七日の行事でしたが、明治五年の改暦の際に、そのまま新暦7月7日にスライドさせて現在に至っています。
そのために、元々は初秋の行事(旧暦の七月は秋)でしたが、現在は夏の行事と化しています。
とはいえ、所によっては、ひと月遅れの8月7日に行なったり、旧暦の七月七日に当る日(今年は8月28日)に行なったりしているようです。
七夕香は、牽牛、織女の物語をモチーフにして遊ぶ組香です。
◆香は七種
雲 として 二包で内一包試
月 として 同断
扇 として 同断
糸 として 同断
竹 として 同断
牽牛として 一包で無試
織女として 同断
◆聞き方
雲~竹の試みを聞いた後、
雲、月、扇、糸、竹、牽牛、織女の計七包を打ち交ぜて、牽牛、織女が出るまで聞きます。
(天の河を渡って、二人が出会ったら、目出度し目出度しでお仕舞いということでしょうか)
とは言え、実際の運用としては、七炷すべて聞くことが多いようです。
◆メモ
全て聞き終り、答えを記した記紙を出し終わってから、短冊に和歌を認め、願いを込めて!!!笹竹に吊るします。
七夕香は飾り物が多く、ビジュアル的にも楽しめる組香となっています。
【床】の飾り物
短冊「竹竿頭上多願絲」、三宝に五種の野菜、五色の糸巻、五色の布、ミニ琴、梶の葉団扇
【竹】の飾り物
梶の葉(7枚)、五色の糸、詠歌の短冊
角盥に梶の葉を浮べたり、灯明を飾ったりもするようですが、今回はパスとなりました。
フランスから外国人のお客様もあり、彩り豊かな楽しい七夕香となりました。