竹細工・柄杓師:黒田正玄

千家十職の一人で、竹細工・柄杓師の黒田玄督(13代正玄)氏が、去る7月に亡くなられたとの記事が『同門』誌に載っていました。
享年81歳。
既に、家督は平成25年末に娘の当代正玄(益代さん)に譲っていて、隠居の身ではありました。

13代正玄は、NHKEテレの「茶の湯」に何回か出演されたことがあり、近いところでは5年前に放送された「表千家」の「茶の湯を支える匠たち」で拝見した記憶があります。
話しぶりや表情からは、温厚そうなお人柄に見えました。

黒田正玄

それにしても、歴史のある職家の家督を継ぐと云う事は大変なことです。(家元はもっと大変?)
現在、千家十職のうち、女性は飛来一閑、中村宗哲、黒田正玄の三人となっています。
中川浄益は休業、駒沢利斎は空席と聞いていますから、男性で現役は、樂吉左衛門、大西清右衛門、土田友湖、永楽善五郎、奥村吉兵衛の五人となっています。

世の流れに沿って、女性の進出が目覚ましいのは、伝統文化の一翼を担っている「茶の湯」でも、どうやら同じようです。
茶道具の伝統の型を伝えると同時に、女性ならではの?新しい発想に基づく茶道具が生み出されることを願ってやみません。