彼岸明け・運慶展

彼岸明けまでには間に合せなくてはと頑張ったのでしょうか。
今朝、やっと彼岸花が咲きました。

彼岸花

今日から東京国立博物館で特別展「運慶」が始まったと新聞記事にありました。
特別展にあわせて、このところ「運慶をたどって」と題した連載記事が続いていましたが、今日の中見出しは「お香が救った身元証明」。
「ん…?」とアンテナが立ち、記事を追いました。

鎌倉の光明院が所蔵していた小さな仏像を解体修理したところ、胎内から紙包が出てきて、包を解くと中には黒い紙包みがあり、周りには小さい白っぽい粒がいっぱいあり、良く見ると丁子(クローブ)を含むお香の粉だったそうで、黒い包を開くと今度はまぶしいほど白い紙が見つかったのだそうです。
その紙には、運慶が造ったと読める文があり、小仏像は運慶作と判明したという件です。
そして、800年前の紙が白いままだったのは、お香や丁子が防虫効果を発揮したらしいと記してあります。

和紙、墨、そして香剤が800年もの時を越えて、歴史を今に伝えているのですから、何んとも素晴らしいお話です。

丁子※淡交ムック「香道入門」より

 

香道一口メモ・10【沈水香③】

おおまかな良粗香の分類は、本草の水での沈・不沈を基準とする方法や模様、色調、樹脂の柔軟度などから識別できる。また、その方法で十分こと足りる用途もあるが、これらの尺度を直ちにかおりの良否に合致させるには、かなり難解な面があって、香道では品質、味位の決定には最終的には嗅覚による経験的な方法によることを原則とする。

香道一口メモ・11【沈水香④】

樹脂の主な成分はエーテル、強アルコールに可溶性の樹脂よう物質から成り、芳香を含んで美しいあい色をしている。熱を加えると溶解していっそうふくいくとした薫香を放ち、燃焼する。総じて日本では優良品を伽羅(きゃら)と呼んでいる。神秘的なにおい、幽玄な香り、百聞は一見にしかずというが、香りは「一聞」にしかずである。