柊の花
初冬の花、柊(ひいらぎ)の花です。
清らかな澄んだ芳香が辺りに広がっています。
銀木犀に似ていますが、それもそのはず、柊はモクセイ科の木です。
個人的には、ある種の香木の香りに通ずるものがあり、聞香の際に香りをイメージすることもあります。
そういえば、香道では札銘の冬の部に「柊花」がありましたネ…。
和名は、葉の縁の刺(とげ)に触るとヒリヒリと痛むことから、「ヒリヒリと痛む」旨を表す日本語の古語動詞である「疼(ひひら)く・疼(ひいら)ぐ」の連用形「疼(ひひら)き・疼(ひいら)ぎ」をもって名詞としたことによると、wikipediaにはあります。(柊・疼木・柊木)
個人的には、「冬の木」で十分です。(?)
ところで、京都の老舗旅館と云えば「柊家(ひいらぎや)」。
屋号「柊家」の由来に興味が湧き、ネットで検索したところ、HPに由来と歴史が記してありました。(以下は部分引用です)
「時は幕末文政元年(1818)、福井から星雲の志を抱き京に上った先祖がこの地を構え、運送業、海産物商を始めたのが柊家のはじまりです。その名の由来は下鴨神社の境内にある比良木神社。邪気を祓う柊の木が自生するこの神社に先祖は深く帰依し、それになぞらえ屋号を「柊家」と致しました。」
下鴨神社の境内に比良木神社があるなんて初めて知りました。
香道一口メモ・63【香炉①】
香をたくのに用いる器。銀、唐金、陶磁などで作り、球、半円球、円筒、角、舟形、鳥獣類などと、その形態や大きさはさまざま。これらを柄香炉、釣り香炉、置香炉に大別する。柄香炉は長い取っ手が付き、炉は白銅、赤銅か金属製で仏事用。書院には飾らない。正倉院御物の紫檀金鈿(したんきんでん)の柄香炉は金象がんに水晶玉をおいた豪華なもの。
■白銅柄香炉 正倉院蔵
※図録『香の文化』(徳川美術館)より。