城山八幡宮洗心茶会

好天に恵まれた祝日、久しぶりに城山八幡宮の洗心茶会へ出かけました。

※「天長祭」の文字が見えます…。

席主さんは、志野流・蜂谷なをみ氏と裏千家・中井宗有氏のお二人。

志野流席の床に掛かっていたのは「無事是貴人」で、年の瀬をしみじみと思わせるものでした。

裏千家席の床には、短冊を表装したものが掛かっていました。
内曇りの短冊に認めてあったのは、

埋火や夜中は明日の人通り

埋火に向き合う大晦日の夜の情景がまざまざと浮かんでくる句ですが、席主さんのお話によれば、短冊などを表装するときは一行物などとは異なり、一文字等の裂地は間道(かんとう)や更紗(さらさ)を用いるらしいとのことで、事実、一文字は間道でした。(確かに、一行物では一文字の裂は竹屋町裂などがよく使われています。)

お菓子は「へそくり餅」(お菓子司・きた川)。
金柑(きんかん)のシロップ漬け?を羽二重餅でくるんだもので、金柑の黄金(色)を中に隠したことから、「へそくり」なのでしょうか。
お菓子の銘としては、なんともユーモラスです。

もうひとつ、香合も印象に残りました。
鵬雲斎大宗匠書付の伽藍香合ですが、伽藍とは書かずに「伽羅石」と書いてあり、伽羅が伽藍のあて字にしてありました。
これも遊び心ならではのこと…。

ゆったりとした、楽しいお席でした。

香道一口メモ・99【組香の茶の湯①】

茶事の前後に組香を行う式。炭手前をし、釜の煮がつくまでの間のもてなし事であるから茶事の内容にふさわしい組香を用いる。香盆は茶席の棚(たな)か卓類に飾り置くこともある。香たどんは炭斗に入れ、炭継ぎの際、炉中でおこす。で、火取香炉は不用。聞香するから練香や香木は炉中にくべない。容器の香合は所望があれば出す。

※「組香の茶の湯」の流れは、『なごみ』2015年4月号(淡交社)に詳しく写真入りで紹介されています。