立春・年内立春
今日2月4日は二十四節気の一つ「立春」。
文字通り春が立つ日ですから、暦の上では今日から春ということになります。
でも、旧暦ではまだ十二月十九日で年はあけていません。
いわゆる年内立春です。
古今集の巻頭歌は、年内立春を詠った歌として広く知られています。
ふるとしに春たちける日よめる 在原元方
年の内に春はきにけりひととせをこぞとやいはんことしとやいはん
立春だからと云って、急に何かが変わる筈は無いのですが、例えば窓から入ってくる陽ざしの柔らかさ、明るさに何かしら春の気配を感じたりします。
立春という言葉は、人の心を浮き立たせるような不思議な力を持っているように思います。
さて、旧暦で云うところの「年内立春」ですが、旧暦では決して珍しい事ではありません。
因みに、過去10年間の立春(2月4日)が、旧暦では何月何日にあたるかを調べてみました。
2009.2.4 …旧暦 一月 十日
2010.2.4 …旧暦十二月二十一日(年内立春)
2011.2.4 …旧暦 一月 二日
2012.2.4 …旧暦 一月 十三日
2013.2.4 …旧暦十二月二十四日(年内立春)
2014.2.4 …旧暦 一月 五日
2015.2.4 …旧暦十二月 十六日(年内立春)
2016.2.4 …旧暦十二月二十六日(年内立春)
2017.2.4 …旧暦 一月 八日
2018.2.4 …旧暦十二月 十九日(年内立春)
半分の年が年内立春です。
年内立春が生ずる理由は、月の満ち欠けに基づくいわゆる旧暦(※)と、太陽の運行に基づく二十四節気(つまりは太陽暦)とのズレにありますが、詳しい話はまたの機会に…。(※)正しくは太陰太陽暦
旧暦や二十四節気についてのお話は、鈴木充広『暮らしに生かす旧暦ノート』(河出書房新社)に解りやすく書いてあり、個人的にはお薦めの一冊です。
香道一口メモ・125【奇南香】
伽南香ともいい、伽羅のこと。中国の諸書に統一はされていないが、品質を三階級に分類したものによると、木が枯れずに生気があふれている間に香を結ぶものを「生結」といい上、木が枯れて飴(あめ)のような油を生ずるものは「糖結」で中、虎の斑紋あるいは金糸を縫ったようなものを「虎斑結・金糸結」といい下であると、具体的に解説している。