名古屋城本丸御殿茶会
名古屋城本丸御殿「孔雀の間」で、織田有楽斎の流れをくむ尾州有楽流の御殿茶会が催されました。
「孔雀の間」は去年の4月から一般に貸し出されている部屋ではありますが、一般公開ルート上にはのっていない部屋のようです。
席主は尾州有楽流の長谷義隆氏で、茶会は濃茶・薄茶・点心・講演などを組み合わせた三部構成で趣向を凝らされたようです。
ニュースで催しを知って参加したのですが、森川如春庵の田舎家復元工事の協賛茶会のように受け止めました。
孔雀の間の三間の床に軸釘はなく、組み立て式の軸掛けに龍・虎の双幅が掛けられていました。
床に飾ってあった梅の古木は実に見事でありました。
部屋の使用に当たっては厳しい制約があるようで、火の気の元となる炭は使えず、電熱器のワット数は制限され、香も匂いが移るので焚けないとのことでした。(勿論、炉はありません。)
従って、点前座は長板に電熱ヒーター風炉と古伊賀水指の取り合わせとなっていました。
有楽流のお点前を初めて拝見しましたが、流派によって所作は様々であることをあらためて実感しました。
※名古屋城正門近くの道路脇の水仙です。
香道一口メモ・132【武家と香道】
将軍家斉の、江戸城の大奥文化ともいわれる一時期には、将軍の大奥を取りまく江戸城本丸の奥女中や能役者、狂言師が盛んに行い、徳川氏一族をはじめ諸大名も深い関心を寄せ、奥義を極める大名さえいた。この現象は平安貴族の薫(たき)物のように武家社会の必修教養であったことを物語る。地方ではさまざまな階級におよんで拡大流行した。