初冬香

今日は二十四節気の一つ「小雪」。
北国や山間部から初雪の便りを聞く頃と暦にはありますが、数日前には札幌で初雪を観測したとのニュースが流れました。
尤も、札幌では明治23年に並ぶ最も遅い初雪であったとか…。

今日の名古屋の最高気温は16℃台、風もちょっと強めで、寒い一日となりました。
まさしく初冬です。

旧暦も十月半ば、この季の組香として「初冬香」などが知られています。

=【初冬香】=

◆香は三種
嵐として 四包で内一包試
雲として 同断
客として 一包で無試

◆聞き方
試みを終えた後、
嵐、雲の六包を打ち交ぜて二包捨て、残った四包に客一包加えた計五包を炷き出します。

◆記録紙
雲、嵐の数により、聞きの中段に名目を書きます。
嵐の香を多く聞けば 落葉
雲の香を多く聞けば 時雨
嵐・雲二炷づつと聞いて嵐が先に出れば 木葉雨
嵐・雲二炷づつと聞いて雲が先に出れば 村時雨

全当りの人には初冬、無の人には小春が点数の所に書かれます。

◆メモ
旧暦十月は神無月(亥の月)として知られていますが、春の気候にも似た暖かい日もあるため小春とも呼ばれています。
無当りの人に小春と書かれるのは、初冬の小春日和にうとうとして香りが聞き分けられなかった、そんな意味が込められていそうです。

嵐が多ければ(強ければ)落葉、雲が多ければ(厚ければ)時雨、という名目はなんとなく頷けます。
木葉時雨=木の葉の飛び散るさま、また、その音を時雨に見立てていう語。(日本国語大辞典)
村時雨=ひとしきり降り過ぎる時雨。ひとしきり降ってはやみ、やんでは降る初冬の小雨。(同上)

【余談】
「初冬香」は香三種で、嵐、雲、客となっていますが、11月7日にアップした「落葉香」も香三種で雲、嵐、客でした。
組み方、聞き方、味わい方は全く違うのですが、こんなこともあるんですねぇ…。(^O^)

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雪のように白い山茶花「富士の峰」が咲いています。(ちゃっかり「小雪」にあやかりました…)