季節のように生きる

元旦の朝刊に載った「日日是好日」の全面広告です。

観客動員100万人突破とあります。
表千家流の人は勿論のこと、他流派の人や茶の湯に興味関心がある人、そして何よりも樹木希林、黒木華のファンが映画館へ足を運んだタマモノと云えそうです。
観客はシニア層が多かったように思いますから、入場料を平均1000円として見積もると、興行収入はざっと100万×1000円=10億円となります。
確かに、大ヒットと呼べる金額にはなりそうです。
10月13日封切りで、名古屋では12月13日まで2ヶ月のロングラン上映でした。

季節のように生きる。

…味わい深い言葉です。

志野流香道先代家元・蜂谷幽求斎宗由宗匠(1902~1988)が某月刊誌に寄稿されていたと云う「香道の心得」シリーズです。

香道の心得 ◆睦月◆ (1)

 元日の朝、昨夜来の埋火した火鉢の炭をおこし、御題香を炷いて身を清め、産土神山に初詣をします。帰宅しまして直と待合に〝空炷き〟をし、客室には名香の一炷をお聞かせ出来るよう諸具を準備し、年賀に訪れる方々を待つことになります。そして一月は各界で新春の祝宴が催されますように、私共、香家においては、これを〝聞香始め〟と申して幾度となく行なう次第です。先づは年の始めに当って心新らたに事を行ない、参集者一同で香を聞くと言うことでありましょう。

松隠軒での「聞香始め」は8日から始まるようです。