芒種・青梅

今日は(から)二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」。
愛用の新暦・旧暦カレンダーには、次のような解説がなされています。

「芒とは麦や稲などにある禾(のぎ)のことで、麦は麦秋を迎えて刈り取りが始まり、稲は田植を終えて、すくすくと成長し始める。梅の実が黄色く色づき、ほとんどの地方が梅雨に入る。」

スーパーに青梅が並び、近くにはガラス瓶が置いてあります。
過去に、青梅は梅酒や梅味噌、黄熟梅は梅ジャムなどに加工してきましたが、今年は青梅の甘露漬けが面白いかなと思っています。
カリカリの食感を一度味わってみたいと思っています。(^^)

青梅と云えば、六十一種名香にもその名がありますが、志野流香道先代家元・蜂谷幽求宗由宗匠が月刊誌に寄稿された文の中に香木「青梅」について記した件があります。

読みは(あおうめ)でも(おうめ)でもなくなぜか(せいばい)と読ませているとし、更に「六十一種名香は少なくとも五百年前の付名木、しかも、香木は消耗されていく性質がある故に、たとえ伝来していても微々たるをすぎない量になってしまっている。中には消滅して銘のみを残しているものさえある。「青梅」もその例にもれず、聞香は叶わぬ望みとなった。」と記してあります。

5月中旬には、NHKTVで家元所蔵の「蘭奢待」が披露され、家宝として守り伝える旨のお話が家元からありましたが、余程のことがない限り聞香に供されることはないように思います。(予想を超える大きな香木片でした!)

コロナ禍から徐々に日常が戻りつつあるようですが、世の中の騒ぎとは無関係に春から夏へと季節は移り、植物は時季の花々を例年のように咲かせています。
下野(しもつけ)、蛍袋、紫露草、卯の花、都忘れ、紫陽花、丘虎尾などは今も盛りで、カラスビシャク【烏柄杓】は仏焔苞を伸ばし、ハンゲショウ【半夏生】はスタンバイしています。


※仏焔苞の先端は写真の右外に長く伸びています。左側の葉は烏柄杓の、右側の葉は半夏生の葉です。

名古屋のお茶会・お香会は6月も予定が立たないようです。
密閉・密集・密接の最たる催しの一つですから致し方ないのかもしれません。
文化教室の茶道・香道の講座もHPをみると、再開とはならず休講のままとなっています。

一部の教室では、Web会議システムZoomを利用した語学講座などが開講されるようですが、いざ参加となるとハード面、ソフト面共にハードルはそれなりに高いのではないかと想像しています。
教室での講座が、7月、8月、9月あたりで再開されることを願ってはいるのですが…。

暑くなってきました。
名古屋は昨日に続き、今日も真夏日です。