濃茶の各服点
コロナ禍の下、活動自粛が続いていた茶の湯の世界も7月になってから少しずつ動き出しているようです
各流派家元からは感染拡大予防の新たなガイドラインが示され、稽古などを再開するにあたっての留意点が機関誌やHPに具体的に記されています。
マスクの着用、アルコール消毒、手洗いの徹底、換気、人数制限、銘々皿使用、薄茶・濃茶の各服点、茶道具の洗浄等々、留意点は多岐にわたっているようです。
注目したいのは濃茶の各服点。
密閉・密集・密接の所謂3密を避けるうえで、一番のネックとなっていたのは矢張り濃茶の回し飲み。
一座建立を象徴する事柄だけに避けるわけにはいかず、かといって精神をないがしろにする所作では意味がなく、コロナ禍と折り合いをつけた作法の指針が、各流派家元には求められていたのではないかと思います。
機関誌やHPを見ると、表千家、裏千家ともに、濃茶の各服点が特例的な措置として取り上げられてます。
特に裏千家ではHP上に家元のビデオメッセージをアップし、風炉・炉の場合に分けて濃茶の各服点の所作を動画で紹介しています。
裏千家ならではの、また裏千家だからこその動画です。
業躰部の著名な方々の出演なので、所作には一分の隙もありません。!(^^)!
ひとつの例として参考にしてほしい旨の言葉が家元からありましたが「確かに!」と思いました。
明治44年に13代家元・円能斎が考案した各服点ということでした…。
濃茶の各服点はあくまでもコロナ禍における特例的措置で、これが「新たな様式」「新たな日常」として定着しないことを願っています。
先がなかなか見通せない昨今の感染状況ですが…。