お題香(2021)
辛丑(かのとうし・しんちゅう)の「お題」は「実」。
茶の湯では茶碗等に「お題」をデザイン化したものが作られていて、カタログには種々の植物の実が描かれた茶碗が並んでいました。
茶道具の世界では「十二支・丑」も大切なテーマです。
業界にとっては、「お題」と「十二支」は新規需要を掘り起こす為に、欠かすことのできない材料となっているようです。
香道の世界でも「お題香」が香老舗から提供されているようです。
コロナ禍にある今年も、ご縁があって負野薫玉堂の「お題香」を焚くことができました。
ありがたいことです。感謝、感謝!
志野流香道家元・蜂谷幽光斎宗玄宗匠のお歌です。
小山田の夕くれないに阿らしねは 稲架にゆれつゝ色まさりけり
※荒稲(あらしね)=外皮を取り去っていない米。籾(もみ)。
※稲架(はさ)
練香は瓢(ひさご)の形に型抜きされています。
茶の湯の炭点前で焚くより先に、練香を香炉で空薫にして楽しみました。
聞香炉ではなく、空薫用にしている香炉に松栄堂の「みやこ炭」を入れて傍に練り香の小片を置くというやり方です。
今年も、練り香独特の濃密な深く甘い香りに包まれながら新年を寿いだ次第です。(^^)
明後日の15日は例年通りであれば「歌会始」が行なわれ、「実」をお題にした歌が詠まれるところでしたが、今年はコロナ禍のために延期となっています…。