清明・玄鳥至

今日は(から)二十四節気の一つ「清明」。
「清明」とは万物が「清浄明潔」であるという意味のようですが、江戸時代の書「暦便覧」には「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也」とあります。(確かに!)

二十四節気の各節気を三分して5日ほどを一候とする七十二候では「玄鳥至(つばめきたる)」(つばめが南から渡ってくる)です。
先日、ラジオR1の気象コーナーで、燕が飛来したというツイッターの投稿を気象予報士が紹介していました。
当地ではまだ見ていませんが、既に飛来しているかもしれません。
七十二候は季節の変化・季節感を知るうえで、現在でも参考になることが多いように感じています。

「玄鳥至」があれば「玄鳥去(つばめさる)」があるに違いないと思い、カレンダーを見たところ9月18日がその日となっていました。

カレンダー上で目を移せば、4月10日は「鴻雁北(こうがんかえる)」(かりが北へ帰っていく)、4月15日は「虹始見(にじはじめてあらわる)」(虹が見え始める)とあります。
これらについても、逆の意味で「鴻雁来(こうがんきたる)」(10/8)、「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」(11/22)がありました。

二十四節気と同様に七十二候は中国から伝来したものですが、二十四節気の各名称が基本変わることなく使われているのに対して、七十二候は日本(本朝)の気候風土に合わせ、事物・名称が改変されて現在に至っています。(Wikipediaに一覧表が載っています)

日常ではあまり意識することがない七十二候も、カレンダーを眺めた際にフッと目に飛び込んでくると、「もう、そんな季節?」「なるほど…」と思うこと、しばしばです。

長年使用している「新暦・旧暦カレンダー」は暦を知るうえで欠かすことのできないツールとなっています。

そぼ降る雨の中、シロヤマブキ【白山吹】が花開いています。

今年の桜は、例年より随分早く開花し満開となり、もう散り始めています。
明日は風が強ければ、遠山の金さんならぬ桜吹雪!となるかもしれません。

桜は春の季語。
旧暦ではまだ二月ですから「仲春」、まさに春の真っただ中です。

香道では、二月は桜の花結び、桜の挿し枝となっているように、季節は旧暦と共に推移していくようです。
春は旧暦の一・二・三月、夏は四・五・六月、秋は……の如くです。

春夏秋冬の香銘もまた然りで、例えば七夕は秋の季語、秋の部の香銘となっているように、旧暦の季節感が受け継がれています。

明治初期に記された「四季雑香銘集」には、春だけで二百五十を超える銘が記されています。
その内、二文字からなる香銘は百余り。

如何にも春らしい風物・香銘を適当にピックアップしてみました。

春風、春霞、花摺、春草、梅風、梅花、初桜、花筐、花車、花衣、花筏、花染、初霞、東風、桃花、朧夜、若菜、若水、山桜、弥生、青柳、桜川、雉子、春宵、春光、…。

まだまだ春です。(^^)