「四季」で楽しむ組香②

中秋の名月の日(21日)に記した【新月見香】の香名が[春月・夏月・秋月・冬月]であったことから、春夏秋冬・花鳥風月が香名に取り込んである組香をピックアップしてみることにしました。(ヒマなんです…)

例えば【四季音信香】。

先ずは「音信」の読みです。
現代では「おんしん」と読むのが一般的かもしれませんが、明治期になるまでは「いんしん」でした。

また、香銘では「音信」を「おとずれ」と読んでいます。
「音信」の意味を辞書で引くと、確かに「おとずれ」との説明があります。

組香は江戸時代にたくさん創作されたように聞いています…。
「音信」の読みについては、組香名を耳にしたことがないので、確かなところは分かりません。

【四季音信(おんしん・いんしん・おとずれ)香】としておきます。(^^)

◆香は四種
春として 四包で内一包試
夏として 同断
秋として 同断
冬として 同断

◆聞き方と記録紙の名目
試みを終え、出香十二包を打ち交ぜて炷き出します。
記録紙には、銘々の聞きを下の名目で書き付けます。
全当りの人には「音信」、その他は当りに応じて「〇節」(〇は漢数字)と記します。

[名目]
・春の音信
一番目の香を 鶯 と書く
二番目の香を 燕
三番目の香を 雉子(きぎす)
・夏の音信
一番目の香を 時鳥
二番目の香を 水鶏(くいな)
三番目の香を 蝉
・秋の音信
一番目の香を 萩風
二番目の香を 雁
三番目の香を 鹿
・冬の音信
一番目の香を 時雨
二番目の香を 千鳥
三番目の香を 嵐

◆記録紙
| 夏  春 夏  秋 秋 冬  春 …
名 時鳥 鶯 水鶏 萩 雁 時雨 燕 …

◆メモ
出香十二包は一年・十二ヵ月を表しています。
各季節の名目順は、どうやら季節の「初・仲・晩」を意識した花鳥風月となっているようです。
七つ当たりなら、七つの時節が当りという意で、点数の処には「七節」と書くようです。

季節を彩る名目がたくさん並んでいて、見た目にも楽しめる組香かと思います。(^^)

記事のタイトルが<「四季」で楽しむ組香②>となっていますが、①は【新月見香】のつもりでした。ハイ。m(__)m

※イメージは「こぼれ萩」?