定家葛の種
『新古今和歌集』巻六 冬歌 561 藤原雅経
うつりゆく雲に嵐のこゑすなり 散るかまさきのかづらきの山
組香「落葉香」に引かれている歌です。
『新日本古典文学大系』(岩波書店)には、歌の大意が次のように書かれています。
「どんどん流れてゆく雲中に嵐の音がこもって聞こえるよ。いま散るのであろうか、まさきのかずらが葛城山で。」
まさきのかずら【柾の葛】は、ていかかずら【定家葛】とも云われています。
その定家葛の種子が円筒形の莢からやっとお目見えしました。
種子には長い毛があり、今にも風に乗って遠くへ飛んでいきそうです。
初めて定家葛の種を見ました。(^^)
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ていかかずら【定家葛】の一年?を振り返ってみました。
※5/30
※定家葛の花(5/30)
※定家葛の実(7/24)
※(9/15)
※(12/1)
※(12/21)
※定家葛の種子(12/21)
定家葛の名は、藤原定家の霊が式子内親王の墓につると化して絡んだという伝説に由来するとか…。
今年見つけた、種が入った一対の莢(実)は、花の後にたくさんできるといったものではないようです。
あちらこちら探しましたが、運よく目に入ったのは僅か一対。
ラッキーでした。(^^)