表千家初釜

ネットの進化は著しく、朝日新聞・紙面ビューアーでは全国の地域面紙面を見ることが可能です。
その[京都]面に、昨日10日の表千家初釜の記事と写真が載っていました。(超便利!)

記事によると、今年は来客を門弟に限り、濃茶は一服ずつなど工夫して、14日までの五日間で例年の三分の一の500人を招くとのこと。
「残月亭」と隣の「九畳敷」を使い、写真を見るとお客は間隔を空けて坐していることがわかります。
床には定番の「春入千林處々鶯」の掛物、そして曙椿と結び柳が入った花入れが掛けられたようです。

「春は千林(せんりん)に入(い)る処々の鶯」と読むこの掛物は、三代目家元・元伯宗旦78歳の書で、今から367年前のものです。
例年、家元・初釜の濃茶席に掛けられるようです。

三千家の初釜は、裏千家は7日から、表千家は10日から、武者小路千家は11日からとなっています。

初釜で供されるお菓子と云えば、裏千家は「花びら餅」、表千家は「常盤饅頭」、武者小路千家は「都の春」がそれぞれ定番となっているようです。

今日の夕方、NHK・BSPで放送された「京都・表千家 ~わび茶の世界~」(1987年)を視聴しました。
35年前の表千家家元をめぐる映像はどこまでも厳粛でした。

コロナ禍にある現在では、儀式のあり方等に制約があるのはやむを得ないとは思いますが、古き良き伝統が随所に垣間見られ、とても印象に残りました。(録画もバッチリ!)

「不易流行」の言葉を思い出しつつ、画面に見入った50分間でした。(^^)