蘭奢待献香式余話

先月末に増上寺で執り行われた「蘭奢待献香式」の様子はSNSやTV番組でいくつか見ることができます。
PC上で検索をかけたところ、茂木健一郎氏と中野信子氏のタイトルがヒットしました。

脳科学者の茂木健一郎氏はYouTube上で「メタバースに蘭奢待は香るか」と題して語っています。
献香式に参列して感じたこと、考えたこと、そして儀式の様子などが余すところなく語られていて、めちゃくちゃ面白い15分の動画です。

炷かれた蘭奢待の香りは本殿に満ちていた、距離が遠くて香りは分からなかったけれど、蘭奢待を聞かせていただいたのは事実、とのお話には妙に納得するものがありました。
茂木氏は所用のため午前中の献香式にしか出席せず、特別名香席で炷かれた蘭奢待の香りは聞かれなかったようです。

また、同じく脳科学者の中野信子氏は一昨日・土曜日のTV番組に出演し、献香式に参列した上で、特別名香席で蘭奢待を聞いたことを明かし、「キラキラした素晴らしい香りで、クラクラした」「一生に一度です」とコメントしています。
番組名は「マツコ会議」(日テレ)でしたが、私は無料サイト「TVer」から見逃し番組を探して視聴した次第です。
番組の最初のところで少しだけ語られています。

※TV番組のフレームをカットしています。

蘭奢待の香りの印象は、人それぞれのような気がしています。
同じ香木でも、時の経過とともに印象が微妙に変化するのが常だと思っているからです。
また、嗅覚のセンサーには当然のことながら個人差があります…。(^^)

以前、ある名香席で薬師寺「蘭奢待」を聞いたことがあります。
蘭奢待は正式には黄熟香。(伽羅に共通する成分が含まれていないと云われています)
尤も、六十一種名香では伽羅として、唯一無二・天下無双の名香とされています。

その時は、蘭奢待の香りが想像していたよりも遥かに「はっきりした香り」で、少なからず「衝撃」を受けた覚えがあります。

先日の土曜、名古屋・徳川美術館へ久しぶりに出かけました。
ほぼ2年ぶり?のことです。

奇しくも、土曜日の朝日新聞朝刊には開催中の特別展の記事が載っていました。

特別展「名刀正宗と相模伝」の紹介記事です。(5月28日~7月18日)
尾張徳川家には駿府御分物として、数多の品々が伝来していますが、その中の刀剣数百振の内の名刀約50点が展示されています。

日本刀と云えば、矢張り「正宗」でしょうか。

国宝となっているのは名物「包丁正宗」。
重文は八振展示されていますが、上の写真に載っている「不動正宗」はその内の一つです。

刀剣ブームが未だ続いているのでしょうか。
刀剣女子と思しき若い女性の方も結構見かけました…。(^^)