十六夜・不知夜

昨夜は美しい十五夜・中秋の名月でした。
よって、今晩は十六夜(いざよい)の月。

朝日新聞朝刊のコラム「天声人語」の中に、自身のアンテナがピピッと震える文章がありました。

「十六夜の月を見た徳富蘆花は、雲の美しさにも目をとめた。<白雲団々、月に近きは銀の如く光り、遠きは綿の如く和(やわ)らかなり>。太陽からもらった光を、月は別の誰かに惜しむことなく与えている。」

そうなんです、月の光は太陽からもらった光であることを、普段は意識することがないのです。
月は別の誰かに惜しむなく与えている……、なんと素敵な言葉でしょうか。 (^^)

十六夜の月は、十五夜よりは月が少し遅れて出ることから、いざよふ(ためらう意)月として、その名があるようです。
名古屋での昨日の月の出は18:22、今日の月の出は18:52となっています。

香道の組香には(いざよい)の読みで「十六夜」・「不知夜」が、香種の香名や名目として出てきます。

「不知夜」と書いて(いざよい)と読ませるのですから面白い言葉です…。
そもそも、国語辞典に「十六夜」はあっても「不知夜」は載っていません。
全くの当て字・当て読み?の類ということになりそうです。

でもでも、萬葉集には「不知夜經月」(いさよふ月)が出てきます。
ああ~、悩ましい。

昨夜の中秋の名月は別名「芋名月」とも…。
月見団子の形にも地域性があるようで、当地のように芋を模した形もあれば、まん丸い団子の処もあるとか…。

某歳時記では、「京阪にて…団子の形(中略)小芋の形に尖らすなり」(「守貞漫稿」嘉永6)を引いています。
昨夜の芋を模した月見団子(米餅菓子)はとてもとても美味でした。 (^^)

公園の栗の木についた実が大分おおきくなっていますが、イガイガはまだ緑です。