熱田神宮月次茶会

今日の名古屋の最高気温は31.2℃、9月半ばというのにじわっと暑さを感じる真夏日となりました。
でも、日影に入ると急に涼しさが感じられ、盛夏の頃の暑さとは明らかに違っています。

二年ぶりでしょうか?久しぶりに熱田神宮月次茶会に出かけました。
今日の席主さんは、濃茶席が志野流松隠軒・蜂谷宗玄氏、薄茶席は遠州流・丸山宗翠氏でした。

コロナの感染防止という観点から、10名前後のグループを作って、先ず濃茶席に入り、次に薄茶席に入るという流れで、濃茶席のお茶は各服点、お菓子は共にケースに入ったまま出されるという、コロナ禍ですっかり定着したスタイルでした。

濃茶席の寄付きに掛かっていたのは光琳の武蔵野の画。
団扇の中に風になびく草と金地に銀の月を描いたもので、時代を経て銀が燻しになっているものの、先日の中秋の名月を彷彿とさせる掛物でした。
もう一つ、ハッカン鳥(白閑鳥)=白鷴(ハッカン)の見事な文様の羽箒が目を引きました。(キジ科の鳥)

本席の床には今城切(いまきぎれ)の古今和歌集「物の名」の断簡。
和歌は貫之の折句「をみなへし」ともう一首。
ぐら山ねたちならしくしかの にけん秋をる人ぞなき
この歌は組香「女郎花香」の証歌となっています。

茶入は肩から下へ円錐状に広がる「広沢手」のように見えましたが、蓋裏はどうだったのでしょうか?(銀箔?)
御茶は妙香園の「初昔」。
各服点でしたが、見事に練られていて、とても美味しいお茶でした。 (^^)

薄茶席(遠州流)の寄付きに掛けられていたのは「水中掬月争捨徳」。
「えんこう(猿猴)が月を取る」を七字に託した一行とか…。
とても気になったのは「白菊」と書かれたものが貼り付けられた香包。
一木三銘(四銘)の「白菊」か?と思いましたが、お茶会での深入りは禁物。

本席に掛けられていたのは菊絵賛の洒落た掛物。(だから、敢えて寄付きに一行物!)
圧倒的な存在感を放っていたのは時代物の大きな「ナタ籠」。
「受け筒」が中にあり、苅萱、山芍薬のはじけた実、藤袴、竜胆などの七種が入っていました。

遠州流と云えば「綺麗さび」。
風炉先、南鐐風炉、南鐐釜、煙草盆、茶碗(絵高麗・色絵薩摩)などなど、如何にも遠州流でした。

中置きの点前でしたが、オランダ細水指(素晴らしい一品!)は客付きに置いてありました。
月が替わって10月になると、細水指を遠ざける表・裏千家流で見るような形になるとのこと。
柄杓を横に引いたとき、大板に収まるように、柄杓の柄を短くした柄杓があることは初めて知りました。
これもまた「綺麗さび」の一つ。 (^^)

お茶とお菓子を頂くとき以外はマスク着用ではありましたが、久しぶりのお茶会を楽しみました。
帰りには、熱田の大楠の木に手を合わせました。