立冬・山茶始開

今日は二十四節気の一つ「立冬」。(黄経225度)
天明七年の「暦便覧」によると「冬の気たちそめて、いよいよひゆればなり」とあります。

七十二候では「山茶始開」(つばきはじめてひらく)。
「さざんかの花が開き始める」となっています。

山茶は「つばき」で「さざんか」?

『日本国語大辞典』には、つばき【椿・海石榴・山茶】の項で、山茶は「つばき」の漢名とあります。
じゃぁ、サザンカは?
さざんか【山茶花】は(ツバキの漢名、山茶に由来する「さんさか」の変化した語)とあり、漢名は茶梅とあります。

「語誌」には、「山茶花」の表記は中世後期に見られるが、当初は「さんざか」とよまれ、訛形「さざんか」は十七世紀から見える語形である、とあります。
さざんか【山茶花】は、ツバキノの漢名「山茶」に由来する「さんさか」「さんざか」が訛って「さざんか」となったようです。

さざんか【山茶花】の花が咲き出しています。

元はツバキだった木を伐採した後に出てきた孫生えで、台木のサザンカへ先祖帰りした花のようです。

初冬の花、ツワブキ【石蕗】も咲き出しています。

サザンカ、ツワブキは、香道の札銘「冬の部」にその名が出てきます。

二文字で表記することから、サザンカ【山茶花】は「山茶」・「山花」のどちらかの表記になりそうです。
手元にある資料では「山花」となっていますが、「山茶」と表しているような例も見かけたことがあります。
伝書がいくら書写されたものとはいえ、花と茶の崩し字は明らかに違い、見誤ることはないようにも思います。

札銘「冬の部」の中には「茶梅」もあります。
こちらの読みは「ちゃのはな」。

表意文字の面目躍如といったところでしょうか…。 (^^)

ところで、明日は皆既月食!
昨年5月26日以来の皆既月食となりますが、今回は惑星食(天王星食)も観測されるとか…。
でも、天王星は流石に遠すぎるので、こちらはTV映像頼みになりそうです。